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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
心筋虚血部位において, リン脂質代謝が変化し, アラキドン酸などの遊離脂肪酸, PAF, リゾリン脂質, 過酸化脂質が増加, 蓄積する. これら"異常脂質"の蓄積が組織障害の進展に関わる可能性が考えられているのにかかわらず, 産生のメカニズムはまったく不明である. 本研究ではこれら"異常脂質"の定量を行い, あわせて産生に関わる体内因子(酵素等)の解析を行う. 1.PAFの定量法開発:心筋虚血部位でのPAFの消長を知ためには, 従来存在する定量法では不充分である. 我々は, このために抗PAFモノクローナル抗体を産生し, 免疫化学的定量法を開発している. 現在までにPAF安定アナログを抗原にマウスを免疫し, 数種の抗体産生株を得たが, これらは, PAF主要代謝物であるリゾPAFとも反応した. 免疫法および陽性株の選択法を検討中である. 2.過酸化脂質の検出:脂質過酸化については従来生じるマロンジアルデヒド量で評価されてきたがこれには種々の問題点が指摘されている. これに代わる方法として, 我々が最近見出した強い細胞傷害生を持つ脂質過酸化最終産物である2-アゼライン酸含有グリセロ脂質の定量を試みた. 生体試料から本化合物を含む画分を粗分画する方法を現在までに確立した. 3.心筋, 虚血心筋におけるホスホリパーゼA_2活性:虚血部位での脂肪酸遊離に関わる酸素としてホスホリパーゼA_2に注目し研究を進めている. 酵素源として(1)正常心筋, (2)虚血部位に浸潤した炎症細胞を検討している. すなわち(1)については, ラットとウサギで至適pHが中〜アルカリ性にあり, 基質としてPE, PSを好む酵素を見い出し, 精製を開始した. (2)については, 従来我々が実験炎症部位の細胞外に見い出し, 精製を進めていた"炎症性ホスホリパーゼA_2"に対する抗体を調整し, 免疫染色を計画した. 現在までに, ウサギ抗ラットホスホリパーゼA_2抗体, およびモルモット抗ウサギホスホリパーゼA_2抗体を得た.
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