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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
心筋小胞体は, 心筋の興奮-収縮連関において, 細胞内Ca^<2+>濃度の増減を直接に調節している細胞内小器官である. Ca^<2+>の心筋小胞体への取り込みはCa^<2+>-ATPaseによって行なわれる. さらに, このCa^<2+>-ATPaseは, 調節蛋白質ホスホランバンの燐酸化反応によって制御されている. 燐酸化反応を司る酵素は, 従来cAMP依存性プロテインキナーゼが知られていたが, 最近, 心筋小胞体に内在するカルモデュリン依存性プロテインキナーゼ(CaMキナーゼ)もまた燐酸化反応に関与することが見出された. 本研究では, 心筋小胞体の機能に対するCaM系の関与を調べることを目的として, 次のような知見を得た. 1)心筋細胞上清分画より, ミオシン軽鎖キナーゼ, ホスホリラーゼキナーゼとは異なるCaMキナーゼを均質な状態にまで精製した. ホロ酵素の分子量55万, サブユニットは5.5万であった. Ca^<2+>, CaMに対するKaはにわとり砂のう筋ミオシン軽鎖を基質としてそれぞれ1.1μMと67nMであった. 2)心筋小胞体には, 内因性にホスホランバンを燐酸化するCaキナーゼが存在した. トリトンX-100, 高濃度の塩処理によっても本酵素を可溶化できなかった. 3)細胞上清分画から精製したCaMキナーゼを小胞体に添加すると, ホスホランバン燐酸化反応が増強した. 4)細胞上清分画酵素の基質特異性を調べると, 脳のCaMキナーゼによって利用される基質はいずれも心筋酵素に役立ち, 広い特異性を持つことが明らかになった. 内因性基質を調べると, トロポニンIが燐酸化された. 以上の結果は, 心筋細胞上清分画には, ホスホランバンをCaM依存性に燐酸化するCaMキナーゼが存在していること, 心筋小胞体にもCaMキナーゼが存在し, 両者がホスホランバン燐酸化反応を介し, Ca^<2+>-ATPaseの調節に関与していることを示している. また, 心筋上清分画と小胞体に存在するCaMキナーゼは同一であることが示唆された.
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