Research Project
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
最終年度は主に、過去2年間の研究成果の欠落した部分を補う実験を行うとともに、総まとめとして氷海域における海洋構造物の耐氷設計に関連する重要項目をまとめ、海洋構造物の耐氷設計法を新しく開発した。本年度については、平山は地球上の氷海域を9地域に分類し、各水域の代表的氷状の種類、結氷期間、氷厚、それに氷脈、氷山の程度を総括し、海洋構造物設計のための氷象条件をまとめた。また、各水域の実測資料をもとに、積算寒度と結氷期間および氷厚の関係式を導いた。次に構造物設計にとって重要な海氷強度については、主に圧縮強度と曲げ強度に対して、強度試験の違いによる強度への影響度を明らかにするとともに、海氷の内部組成及び氷温等と各強度の関係を明らかにした。また特に傾斜構造物にとって重要な構造材料表面の粗さと構造物に作用する氷力の関係も明らかにした。また佐伯は、氷海域に建設が予想される、固定型・半潜水型及び浮体型の各構造型式に対して、氷盤の水平方向移動に伴なう海氷盤と構造物間の相互作用の重要な決定要因である構造体壁面の傾斜角によって氷盤の破壊様式が異なることに着目し、各氷盤の破壊パタ-ンに対する氷力式を提案するとともに、存の氷力式との比較検討を行い、各氷力式の評価とそれらの式の適用範囲を明確にした。さらに潮汐等に伴なう氷盤の氷盤の上下動による鉛直方向氷力についても理論氷力を求めるとともに、海氷盤と海洋構造物材料間の凍着強度を明確にした。また氷盤の水平移動による柱状構造物の振動特性を明らかにした。今まで行った三年間の研究成果をまとめ、既存の海外の設計マニュアルとの整合性を保つようにしつつ新しい耐氷設計法を開発することができた。
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