癌原性化学物質への感受性に関するチトクロームPー450遺伝子の発現とその調節
Project/Area Number |
63010004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 民朗 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (40006101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 信雄 癌研究所, 研究員 (10085631)
山添 康 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (00112699)
児玉 昌彦 国立がんセンター研究所, 室長 (00100149)
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部, 教授 (00009177)
藤井 義明 東北大学, 理学部, 教授 (00098146)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥13,800,000 (Direct Cost: ¥13,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥13,800,000 (Direct Cost: ¥13,800,000)
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Keywords | チトクロームP450遺伝子 / チトクロームP450mRNA / ハムスター肺P450 / 癌原性化学物質への感受性 / 遺伝子転写制御領域 / 誘導剤と結合する受容体 / 酵素誘導 / シグナル認識粒子 / ヒトのRFLP |
Research Abstract |
1.P450I遺伝子群の構造と発現:メチルコラントレン(MC)を投与したハムスター肺P450MCのCDNA全塩基配列を決定し、mRNAの発現には臓器特異性が認められた。ポリ塩化ビフェニイル投与の犬肝ではラット肝と類似したP450IA1とIA2の2つが認められた。MCに応答してP450IA1遺伝子の発現を調節する遺伝子上の領域、XREを同定し、これに特異的に結合する因子について調べた。その一部はMCに対する受容体であることがわかった。ラットの発育過程や下垂体摘除やアロキサン糖尿のときの肝P450IA2蛋白の変動から、成長ホルモンが抑制的に働くことがわかった。ウサギP450IA1の小胞体膜への挿入はシグナル認識粒子に依存し、N末端の29ケのアミノ酸がその粒子を認識している。ラット肝癌発生過程におけるP450IA群のmRNAの発現を調べると、オパール細胞の出現する3週目で明らかな誘導が起こるが、過形成結節のみられる12週目では低下していた。2.P450II遺伝子群の構造と発現:ラット肝より雄特異的P450cDNAを分離した。成熟雌ラットではmRNAの発現がみられなかったが、フェノバルビタールなどで雄性レベルまで誘導された。3.ヒトP450の発現:P450IA1とIIE1遺伝子のRFLPを胃癌と肺癌患者の白血球で調べた。肺癌患者では異常なバンドは認められなかったが、胃癌患者ではP450IA1に対して19%、P450IIE1に対して50%の割合で異常なバンドの出現がみられた。4.将来への展望:癌原性化学物質に対するヒト細胞の感受性を規定する要因には多くある。その一つに化学物質の代謝的活性化能がある。そこで、ヒトP450の種特異性を遺伝子、mRNA、そして蛋白レベルで調べるとともに、遺伝子の転写活性を調節する受容体蛋白の分離とその機能の検討が緊急の研究課題となってきている。
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Report
(1 results)
Research Products
(18 results)