サルを用いた霊長類レトロウイルスの感染様式と発症機序のウイルス学・免疫学的解析
Project/Area Number |
63010014
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
速水 正憲 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (40072946)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 貴文 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (20184533)
志田 寿利 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (00144395)
武藤 健 予研, 獣疫部, 室長 (90072884)
戸沢 秀樹 北里大学, 衛生学部, 教授 (90104562)
本庄 重男 筑波霊長類センター, 所長 (10072878)
|
Project Period (FY) |
1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥9,200,000 (Direct Cost: ¥9,200,000)
Fiscal Year 1988: ¥9,200,000 (Direct Cost: ¥9,200,000)
|
Keywords | サルT細胞白血病ウイルス / サル免疫不全ウイルス / 垂直感染 / キラー細胞 / アフリカミドリザル / モノクローナル抗体 / 組換えワクチニアウイルス |
Research Abstract |
I.感染様式(1)SIV陽性の仔ザルは全て陽性の母ザルから生まれており、陰性の母ザルから陽性の仔ザルは生まれていないことから、母から仔への垂直感染が推測された。(2)STLV-I抗体陽性の母ザルから生まれた44匹の仔ザルのうち2匹のみが移行抗体と思われる抗体陽性を示し、いずれの仔ザルからもウイルスが分離できなかった。また陽性ザルと同居させた陰性ザルの抗体陽転はなかった。このことから母仔感染・水平感染とも決められなかった。(3)SIV抗体陽性アフリカミドリザルのうち、2頭を殺処分して各臓器からのウイルス分離を行ったところ、末梢リンパ球、脾臓、リンパ節、扁挑、骨髄から分離されたが、腎臓、肝臓、脳等の非リンパ系臓器からは分離されなかった。 II.感染発症機序(1)STLV-I自然感染アフリカミドリザルのキラー活性能を測定し、末梢血中の異型細胞の出現率との関係を検討した。その結果、異型細胞が多くみられ、白血球数もやや高いサルでは自己の感染リンパ球に対するキラー活性がin vitroでの刺激なしに検出された。異型細胞数が少なく、また白血球数に変化がみられなかったサルでは同様にキラー活性がみられたが、異型細胞数が多かったサルよりはその活性は低かった。このキラー活性はT細胞によるウイルス抗原特異的な反応と、NK・LAK細胞によると思われる非特異的反応とによることが判明した。(2)SIV_<AGM>に対するモノクローナル抗体を作成した。これはSIV_<AGM>のTMPに反応したが、他のSIV、HIV-1、HIV-2とは反応しなかった。(3)ウサギでHTLV-1攻撃に対して感染防御能を示したHTLV-1_<env>遺伝子を含む組換えワクチニアウイルスはカニクイザルでは抗体を誘導したが、感染防御効果を示さなかった。(4)SIV_<AGMenvAGMenv>遺伝子を含む組換えワクチニアウイルスを作成した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(9 results)