Project/Area Number |
63010020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松沢 昭雄 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50012745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 勉 (財)都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (40120141)
村上 昭 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (50127148)
螺良 愛郎 関西医科大学, 助教授 (90098137)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
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Keywords | マウス乳癌 / ホルモン依存性 / コラゲナーゼ / 肺コロニー形成能 / オンコジーン / int-2 / hst / 進展 |
Research Abstract |
DDDマウスで樹立した可移植性妊娠依存性乳癌(TPDMT-4)の自律性癌、さらに転移性癌への進展を、(a)ホルモンによる持続的刺激、(b)造腫瘍能の高いMMTVへの暴露および(c)コラゲナーゼによる細胞遊離化が促進することを明らかにし、これらの奏効機序の解明を進めた。aに関しては、ホルモンのプロモーター作用が考えられる以外に有力な証拠をまだ見つけていない。b、cについては、プロMMTVの組込みの増加と増幅、さらにint-2遺伝子の増幅が重要な役割を果たすことが判明した。特に、cではコラゲナーゼにより細胞間基質から遊離された腫瘍細胞はホルモンに高度に感受性になり、正常乳腺組織との相互作用を失い、増殖抑制効果を受け難くなり、浸潤性を増し、自律性癌への進展に寄与することが示唆された。上述の進展実験で得られた4株の自律性亜株について肺コロニー形成能とオンコジーンの発現の関係を追求した。親株TPDMT-4を含めすべての自律性癌でint-2の発現が起こっていて、最初のホルモン依存性乳癌の発生で、この遺伝子が重要な役割をしたと考えられた。親株と肺コロニー形成能をもたないホルモン反応性株や自律性癌では、調べた20種以上のint-2以外のオンコジーンの発現は全く証明されなかった。これに対して、肺コロニー形成能をもつ3株の自律性癌ではhst遺伝子の発現が起こっていた。自律性亜株は違った過程により、お互いに独立に樹立されたものであり、肺コロニーを形成した細胞を選択する操作を用いずに、作り出されたものであるから、hstの発現が新しく開始したものと考えられる。肺コロニー形成能が腫瘍の転移能獲得の初期段階であるから、乳癌の進展にhstが強く関与していることを示唆している。コラゲナーゼ処理の進展効果やコラゲナーゼ活性の高い癌は転移能が高いという報告に基づき、IV型コラゲナーゼ活性も追求したが、肺コロニー形成能との明瞭な相関を認めていない。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)