新しい発癌プロモーター及び抑制物質の探索とその特性に関する研究
Project/Area Number |
63010086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
藤木 博太 国立がんセンター研究所, がん予防研究部, 部長 (60124426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 大輔 静岡大学, 教養部, 助教授 (00022731)
武藤 泰敏 岐阜大学, 医学部, 教授 (20010069)
坂井 進一郎 千葉大学, 薬学部, 教授 (20009161)
小清水 弘一 京都大学, 農学部, 教授 (90026518)
首藤 紘一 東京大学, 薬学部, 教授 (50012612)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥15,600,000 (Direct Cost: ¥15,600,000)
Fiscal Year 1988: ¥15,600,000 (Direct Cost: ¥15,600,000)
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Keywords | okadaic acid / dinophysistoxin-1(35-methylokadaic acid) / C-H-ras / (-)indolactam-V / LM-5、LM-6 / protein kinase C |
Research Abstract |
(1) non-TPAタイププロモーターであるokadaic acidの誘導体、dinophysistoxin-1 (35-methylokadaic acid) はokadaic acidと同様に種々の生物活性を誘導した。今回、dinophysistoxin-1の発癌二段階実験を行い,okadaic acidと同等に強力な発癌プロモーション活性を証明した。DMBA+okadaic acidで生じた腫瘍からDNAを分離し、PCRの方法を用い、C-H-rasの構造を検討した。興味あることに、C-H-ras遺伝子のコドン61の2番目のヌクレオチドがA→Tと突然変異を起こしていた。この突然変異はDMBA+TPAタイププロモーターによって生じた腫瘍に於いても認められた。この結果から、発癌プロモーターはC-H-ras遺伝子の突然変異をもつ細胞(所謂initiated cells)を特異的に増殖させることが示された。okadaic acid及びdinophysistoxin-1はprotein phosphataseの強力な抑制を示す。その結果、リン酸化された蛋白質の量は総量として増加することが見い出された。この外見状のprotein kinaseの活性化がokadaic acidクラスによる発癌プロモーションの最初のシグナルであると考えられる。 (2) Telecidinの中間産物である(-)-indolactam-VのN原子を置換し、B-デアザ-Bオキサイドラクタム-Vを合成した。活性は(-)-indolactam-Vより弱いことが認められた。LyngbyatoxinAを含むハワイの海藻から、(-)-indolactam-Vは見い出されなかったが、LM-5、LM-6と呼ぶ、lyngbyatoxin Aの新規な誘導体が発見され、その構造も決定された。これらは弱い発癌プロモーション活性があると考えられる。 (3) ラット脳ライブラリーにおけるprotein kinase CのcDNAクローニングの詳細な解析を行った。従来得られたクローンとは異なる、新たな3種のクローンδ、ε、ζが見い出された。これらの新しいprotein kinaseは発癌プロモーターによって活性化されるか検討する必要性がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)