高転移性と低転移性癌、分化型と未分化型癌の表面抗原
Project/Area Number |
63015022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩森 正男 東京大学, 医学部, 助教授 (90110022)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1988: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | ガングリオシド / 硫糖脂質 / ラミニンとの反応性 / ヒト型モノクローナル抗体 / ラクト系列タイプI鎖 |
Research Abstract |
ステロイドホルモンの作用により細胞の増殖と分化がコントロールされている子宮内膜は糖鎖変化も非常に激しく起こっている組織であることがわかった。エストロゲン作用で導入される増殖期にはシアロ糖脂質を中心とする酸性糖脂質が主要成分であるのに対し、プロゲステロンの作用も合わせて受ける分泌期には高濃度の硫糖脂質が新たに付加される形で合成されることがわかった。同時に、分泌期にはIV^3NeuAcLc_4Cerが特異的に出現した。一方、子宮内膜癌の糖脂質は正常子宮内膜の分泌期に類似しており、ホルモン作用と糖鎖変化、ならびに癌化過程には密接な関係があることが予想された。分泌期内膜と内膜癌の違いはLc_4Cerが癌組織にのみ出現していることであるが、この抗原の癌組織での発現は非常に重要な意味を持っている。すなわち、子宮内膜癌患者癌組織近傍リンパ節より得たリンパ球が産生する抗体のなかで、当該患者の癌組織とのみ反応し正常組織とは反応しない抗体をクローニングするとLc_4Cerを認識する抗体が得られた。事実、正常部位にはLc_4Cerが含まれず癌細胞にのみ含有されていることから、ヒト免疫系が癌細胞を除く際の抗原として作用している可能性が高い。一方、ラミニンまたはコラーゲンをコートしたフィルターへの子宮内膜癌細胞の侵入を癌細胞の転移浸潤能の指標として調べると、細胞の硫酸基の含量が高い程フィルターへの侵入も多いことがわかり、癌細胞の悪性度と細胞膜糖脂質は密接な関係があることが明らかになった。さらにLc_4Cerの発現をヒト成人と胎児の各組織について調べると、胎児組織に限られ、成人組織には全く検出されないことから典型的な癌胎児性抗原の1つであることが明らかになった。胎児期から成人にかけてラクト系列の糖鎖結合位置が変化し免疫系の教育に重要な役割を果たしているらしい。また、Lc_4Cerは子宮内膜癌のみならず胃、膵、腸、膀胱、小細胞癌組織の癌関連抗原となっていた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)