遺伝子改変による多剤耐性を担うヒトMDR蛋白の機能の解析
Project/Area Number |
63015045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
植田 和光 京都大学, 農学部, 助手 (10151789)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 多剤耐性 / P-糖蛋白質 / MDR1遺伝子 / 動物培養細胞 / 酵母内発現 / 薬剤結合活性 / 遺伝子改変 / 癌 |
Research Abstract |
癌の薬剤耐性にMDR1遺伝子が関与していることが示唆されている。薬剤耐性を克服するためには、この現象へのMDR1遺伝子の関与を明らかにし、MDR1遺伝子のコードするP-糖蛋白質の機能を解明する事が必要である。そのために、本年は次の事を行った。 1.ヒト正常組織の遺伝子ライブラリーから、MDR1遺伝子のプロモーター部位を単離した。この領域を用いて、MDR1遺伝子発現量の感度の高い検出系を確立した。その結果、腎臓や大腸由来の多くの癌でMDR1遺伝子の高い発現を認めた。これらの癌の薬剤低感受性へのP-糖蛋白質の関与が示唆された。 2.部位特異的変異導入や組換え技術を用いて改変したMDR1遺伝子を、ヒト、マウス培養細胞内で発現させる系を確立した。その結果、C末端20アミノ酸が耐性発現に重要である結果を得た。 3.ヒトMDR1遺伝子を酵母内で誘導発現する系を確立した。発現させたP-糖蛋白質が、酵母細胞膜に正しい方向に挿入されていることが抗体によって確認できた。P-糖蛋白質は、酵母細胞膜の数パーセントに達し、試験管内で薬剤結合活性を示した。この系は、薬剤結合部位の固定やP-糖蛋白質の大量精製に有効と思える。 4.P-糖蛋白質は、副腎・肝臓などで本来発現している。正常機能を解明することは、P-糖蛋白質の機能を阻害したときの副作用を予見する上でも重要であり。申請者は、ヒト正常副腎から新たにMDR1cDNAを単離し、構造解析した。その結果、多剤耐性培養細胞から単離したP-糖蛋白質との間に2アミノ酸の違いを発見した。アミノ酸置換の一つは導入した細胞の相対薬剤耐性度を大きく変化させた。 今後以上の系を用い、P-糖蛋白質の薬剤結合部位など機能部位の解析及び活性阻害剤検索系の確立、転写制御機構の解明を行いたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)