Project/Area Number |
63015053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
祖父江 憲司 大阪大学, 医学部, 教授 (20112047)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Keywords | カルスペクチン / 非赤血球スペクトリン / Src遺伝子産物 / 細胞接着 / 細胞骨格 / 神経成長円錐 |
Research Abstract |
癌化に伴う形質転換により形成されるfocal contactは単に細胞が基質面と接着する場所でなく、接着性と運動性の両機能を併せもつ動的構築物であり癌細胞の転移及び浸潤に関与しているものとして注目されている。我々は昨年度癌特別研究援助により、発癌プロモーターによって誘発されるfocal contactにカルスペクチンが局在しアクチンフィラメントの細胞膜接点となっていることを明らかにした。本研究では、さらに他の癌化モデル系として、レトロウイルスで形質転換した細胞を用い、正常細胞と形質転換細胞で主要細胞膜裏打ち蛋白質(カルスペクチン・4・l蛋白質・ビンキュリン・αアクチニン・カルパクチン・アクチン)の局在変化を検討し、細胞膜裏打ち蛋白質でfocal contactへの特徴的分布変化を示すのはカルスペクチンのみであることを明らかにした。同時に発癌遺伝子産物であsic蛋白質(pp60^<v-src>、pp60^<c-src>)のfocal contactへの集積を見い出した。これらよりカルスペクチンを中心とした細胞膜裏打ち蛋白質に直接あるいは間接的にpp60^<v-src>が関わってfocal contactの動的構造を形成していることが示唆された。細胞接着性・細胞運動性の活発な構造物という機能上の共通性から神経成長円錐は興味深い。又pp60^<c-src>が神経細胞に多量に発現し神経細胞分化時に一過性に増大することが知られている。そこで成長円錐における前期細胞膜裏打ち蛋白質とpp60^<c-src>の局在をNGFにより分化誘導したpc12細胞を用いて検索し、カルスペクチン・Ca^<2H>非感受性αアクチニン・pp60^<c-src>が成長円錐基質接着にCa^<2H>感受性αアクチニン・アクチンが先端部のfilopodiaに局在することを見い出した。以上の結果より、focal contact及び成長円錐における細胞膜裏打ち構造の動的制御にカルスペクチン・Src蛋白質が重要な役割を果たしていると考えられる。今後、成長円錐と比較しながらfocal contactにおける細胞膜裏打ち蛋白質・Src蛋白質の作用機作を追究する予定である。
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