マウステラトカルシノーマ細胞における腫瘍性増殖と細胞分化の制御
Project/Area Number |
63015054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西宗 義武 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (80029793)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1988: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | テラトカルシノーマ / 温度感受性変異株 / 細胞分化 / 形質発現 |
Research Abstract |
テラトカルシノーマ幹細胞の分化決定への制御機構を細胞遺伝学的手法により解明するため、マウステラトカルシノーマF9細胞株より、細胞増殖に関する温度感受性変異株(ts株)を分離した。この変異株は、非許容温度(39℃)に培養を移す事によって分化誘導が起こる事を明らかにした。これらの変異株を用いて 1.非許容温度における細胞増殖の変化と分化誘導の機構を理解する為細胞増殖と密接な関係にあると考えられるC-myc遺伝子のm-RNAレベルの経時的変化を調べた。非許容温度培養後約6時間で一過性の低下が見られた後12-18時間後には又一度増加し、その後再び低下した。この一過性の低下はこれまで見られた様々な分化形質の発現や、未分化細胞としての細胞周期の動きに対する変化のいずれよりも早期に起きるものであった。更に細胞増殖に関連すると思われるP53遺伝子のm-RNAレベルについても同様な一過性の低下が観察された。しかも親株のF9細胞では、これらの変化が全く見られない事から、ts株特異的なものであり、非許容温度培養による分化誘導と何等かの重要な係わりがあると考えられる。 2.非許容温度で分化誘導した細胞における分化形質の特異的発現のメカニズムを理解する為、分化細胞において特異的に機能すると考えられているプロモーター・エンハンサー活性の培養温度による変化を調べた。すなわちポリオーマ及びSV40のプロモーター・エンハンサーにCAT遺伝子を組み合わせたDNAで温度感受性変異株を形質転換させた後CAT遺伝子の発現量を許容・非許容両温度で比較した。今回用いた変異株では、非許容温度で分化が誘導されている条件においても有意なCAT遺伝子の発現増は観察されなかった。この条件では、細胞分化は充分起こっているものの、外来遺伝子の転写活性を高めるに必要充分な転写因子の産生が未だ起こっていないのか転写抑制解除が不充分なためかも知れない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)