多剤耐性遺伝子の発現と耐性腫瘍出現の関連性、およびP-糖蛋白質の機能の解析
Project/Area Number |
63015076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
秋山 伸一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60117413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 昭彦 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90182815)
菊池 博 大分医科大学, 医学部, 助手 (30128425)
松本 實 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (10041302)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
Fiscal Year 1988: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
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Keywords | 多剤耐性 / 耐性克服 / フォトアフィニティーラベル法 / ジヒドロピリジン誘導体 |
Research Abstract |
多くの多剤耐性癌細胞では細胞膜にP-糖蛋白質が増加している。遺伝子の解析などからこの蛋白質は抗がん剤を能動物に細胞外へ排出するポンプの機能を有している可能性が大きいと考えられている。我々は多剤耐性を克服する合成イソプレノイド、SDB-エチレンジアミンは抗がん剤をエネルギー依存性に細胞外へ放出するP-糖蛋白質と直接結合し、その結合部位は抗がん剤の結合する部位と同じであることを示した。これらの実験結果より多剤耐性克服薬剤はP-糖蛋白質の抗がん剤結合部位と結合し、P-糖蛋白質と抗がん剤の結合を妨げ、同蛋白質の機能を阻害していることが示唆された。また耐性克服薬剤や抗がん剤の間でP-糖蛋白質への結合力に差異のあることが判明した。 一方、ジヒドロピリジン誘導体、^3H-アジドピンはP-糖蛋白質と特異的に結合し、その結合力はSDB-エチレンジアミンより強い。^3H-アジドピンとP-糖蛋白質の結合を強く阻害するジヒドロピリジン誘導体ほど耐性克服活性も強い傾向が認められ、これを利用した簡便な耐性克服薬剤のスクリーニング法を開発した。 我々はさらに色素ローダミンがP-糖蛋白質により細胞外へ放出されることを見出した。この現象を利用して多剤耐性細胞から同色素が放出されるのを阻害する薬剤をスクリーニングすることにより耐性克服活性を有する薬剤を短時間に容易に見出すことに成功している。現在約400種類のジヒドロピリジン誘導体について、フォトアフィニティーラベル法、ローダミン法、MTT法などを用いて耐性克服活性を有する誘導体を検索している。このうち数種類の誘導体についてベラパミールやセファランチンより耐性克服活性が強く、しかもカルシウムチャンネル拮抗作用が低いことが判明し、動物実験を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)