誘発型発癌遺伝子および増殖因子による細胞のGo/Gi期からS期への移行機構の比較解析
Project/Area Number |
63015080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
河野 通明 岐阜薬科大学, 助教授 (00027335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹家 達雄 京都大学, 化学研究所, 助教授 (60112330)
野本 裕 岐阜薬科大学, 助手 (80164747)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | ペプチド増殖因子 / 発がん遺伝子 / pp60^<src> / チロシンリン酸化反応 / 細胞周期 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
私どもは種々のペプチド増殖因子で刺激した細胞において、細胞DNA合成促進の程度とよく一致して細胞質41K、43K蛋白質チロシンリン酸化反応の急速な促進が常にみられることを明らかにしている。41K、43K蛋白質がpp60^<src>キナーゼの細胞内基質であるかどうかを明らかにすることは正常細胞の増殖のみならず、細胞がん化の機構を知る上でも重要である。この点を解明する目的で、MMTV-LTRの下流にv-src遺伝子を組みこんだプラスミドを作製し、Ψ2ウイルス系を利用して誘発型src遺伝子を導入したマウス繊維芽細胞株を樹立した。この細胞はデキサメサゾン存在下でのみがん細胞としての性質(軟寒天中でのコロニー形成など)を示した。又、デキサメサゾン添加後4〜5時間よりsrc-mRNAレベル、さらにsrcキナーゼ活性の上昇が認められた。この細胞にデキサメサゾン添加でsrc遺伝子の発現誘導した際における細胞DNA合成及び41K、43K蛋白質チロシンリン酸化反応の促進を、PDGFなどのペプチド増殖因子で同細胞を刺激した場合と比較した。その結果、(1)DNA合成促進はデキサメサゾン、PDGFのいずれによっても誘導されるが、デキサメサゾンによるそれはPDGFの場合にくらべて3〜4時間おくれた、(2)41K、43K蛋白質チロシンリン酸化はPDGF添加後急速に促進されたが、一方デキサメサゾンでsrc遺伝子発現を誘導した際には上記蛋白質チロシンリン酸化反応の促進は認められなかった。すなわち、pp60^<src>キナーゼは41K、43K蛋白質をその細胞内基質とせず、pp60┣D1srcの機能発現による細胞DNA合成促進はペプチド増殖因子の場合とは異なった反応系を介して引き起こされる可能性が示唆された。なお41K、43K蛋白質チロシンリン酸化反応の促進は細胞増殖情報伝達系において一つの中核をなしている可能性が示唆されてきたので、今後それら蛋白質の機能解明に向けて研究を進める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)