Project/Area Number |
63015084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小野山 靖人 大阪市立大学, 医学部, 教授 (90025544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 健治 大阪市立大学, 医学部, 助手 (00145781)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 癌治療 / 直流通電療法 / 通電による血管傷害 / 直流通電の安全性 |
Research Abstract |
直流通電による悪性腫瘍治療法の適応を深在性腫瘍に拡大する目的で、血管造影の手技により陰極を血管内に留置する経血管的直流通電法を開発し、その問題点、安全性、効果について家兎を用い実験的に検討した。前年度は主として水素ガスを発生せず血管壁傷害の少ない電極の開発と陰極を下大静脈、陽極を腎において検討した。本年度は肝癌治療への応用を考え、陽極を肝または肝に移植した腫瘍に刺入し、陰極を腹部大動脈において通電し、以下の成果を得た。 1.陽極側の変化 陽極として白金電極を刺入した肝では、電極露出部を中心に肝細胞、グリソン〓の壊死を認めた。また肝に移植したVX2腫瘍に陽極を刺入すると、電極を中心に肝組織と同株の壊死を認め、その平均直径は20クローンでは6.6mm、50クローンでは8.9mmであった。 2.大動脈壁の変化(陰極側) マイクロフィルタ被覆銀塩化銀電極を留置した大動脈壁には、20〜50クローン通電直後では家兎22羽中7羽でごく軽度の内膜の変化をみたのみで、3日後、7日後のそれぞれ11羽、16羽では全く変化を認めず、血流速度の速い動脈を使用する方が静脈に比べて安全性が高かった。 3.その他の変化(安全性) 肝に陽極を刺入して通電すると、1〜3日後GOT、GPT、LDHの上昇をみたが一過性で、血液pH値にも変動はみられなかった。また陽極刺入肝葉以外の肝や腎には、病理学的検索で異常を認めなかった。 以上の結果から、経血管的直流通電法は、マイクロフィルタ被覆銀塩化銀電極を陰極として腹部大動脈に留置し、陽極として白金電極を経皮的に刺入通電すれば、安全でかつ肝癌モデルでも有用であり、臨床的に腹部深在性腫瘍へ適用しうる可能性が示された。
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