がんに過剰発現した増殖因子受容体を標的とする新しいがん治療法の開発
Project/Area Number |
63015088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
阿部 令彦 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 顕一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30180285)
上田 政和 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50142419)
熊井 浩一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30101984)
清水 信義 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50162706)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 1988: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | 扁平上皮癌 / EGFレセプター / イムノトキシン / gelonin / モノクローナル抗体 / A431 / H69 |
Research Abstract |
扁平上皮癌では特異的にEGFレセプターが過剰発現しており、しかもEGFレセプター高値症例では予後が悪いことを明らかにしてきた。この扁平上皮癌に過剰発現したEGFレセプターを標的とする新しい癌治療法を開発するため、ヒトEGFサセプターに対するモノクローナル抗体(B4G7)にhemitoxinであるgeloninを結合させたeinmunotoxinを作成し、in vitroとin vivoでその効果を検討した。 I.In vitro:EGFレセプター過剰産生株としてよく知られている扁平上皮癌由来のヒト癌細胞株であるA431にB4G7,geloninをそれぞれ単独もしくは単に混合させたものでは10^<-7>Mまで投与しても殺細胞効果は認められなかったが、B4G7-geloninでは10^<-10>Mで20%程度の殺細胞効果を認め、10^<-8>Mではほとんどの細胞が死滅した。EGFレセプター数の異なる7種の細胞株を用いて殺細胞効果とEGFレセプタ-数との関連を検討すると両者の間には明らかな直線関係が得られた。 II.In vivo:A431をヌードマウス皮下に移植し腫瘍が形成されたのを確認したのち腹腔内にB4G760ug+gelonin50ug、B4G7-geloninを1ug、10ug、50ug対照群としてPBSをそれぞれ5日間連日投与すると、ヌードマウス移植後19日目にはそれぞれ2.62±0.73、2.16±0.62、0.35±0.23、0.32±0.11、2.61±0.22g(M±8日)となりB4G7+geloninではA431の増殖は抑制されなかったが、B4G7+gelonin10ug連日投与で有意に抑制された。体重の増加、各種臓器腫量などにはそれぞれ差異を認めなかった。次に、同一ヌードマウスにA431とEGFレセプター欠損株であるH69を移植し、その後B4g7-geloninを5日間連日腹腔内に投与すると、A431のみがその増殖を抑制され、H69には増殖抑制効果はみられずin vivioでもB4G7geloninの効果はEGFレセプターに依存していることが明らかにされた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)