Project/Area Number |
63015101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
水野 左敏 国立予防征生研究所, 抗生物質部, 部長 (60072930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河原 明子 国立予防征生研究所, 抗生物質部, 研究員
鈴木 和男 国立予防征生研究所, 抗生物質部, 室長 (20192130)
水野 左敏 国立予防征生研究所, 抗生物質部, 部長 (60072930)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 温熱耐性 / ハイパーサミア / 熱ショック蛋白質 / ユビキチン / 温度感受性変異株ts85 |
Research Abstract |
温熱により生体に誘導発現する熱耐性の解明は、癌温熱療法の基礎確立において重要であるのみならず、生体のストレス応答のモデルとして生物学的にも重要である。これまで熱耐性機構における熱ショック蛋白質(HSP)の関与が示唆されているが、両者の因果関係は必ずしも明らかとなっていない。我々は熱耐性機構の解明において、熱耐性誘導欠損変異株を用いた解析が、有力なアプローチの1つであると考えた。C3Hマウス乳癌由来FM3A細胞を親株として分離されたいくつかの温度感受性変異株、ts85、tsT244及びtsFT101、を用いて温熱処理による熱耐性誘導発現及びHSP合成を比較検討した。 親株FM3A細胞は39.5〜41°Cに加温すると、加温中に熱耐性を誘導し、次の44°C加温に対して熱耐性を発現した。一方、温度感受性変異株ts85細胞は、同一条件下で耐性を誘導しなかった。しかし、他の変異株T244及びFT101細胞は熱耐性を誘導発現した。このように、39°C以上の非許容温度下での変異株の熱耐性誘導欠損はts85細胞に特異的であった。次に、主要HSP合成について、親株及びts85細胞について比較した。FM3A細胞は39.5°C3時間の加温で70K、85Kおよび100Kの主要なHSPs合成を有意に促進しなかったのに対して、ts85細胞では同じ条件下で有意にこれらのHSP合成を促進した。この条件下、親株は熱耐性となったが、ts85細胞は熱耐性は示さなかった。 ts85細胞は蛋白質ユビキチン化反応に関与するユビキチン活性化酵素の温度感受性変異株であることが明らかにされている。また、ユビキチンはHSPの一種であることも示されている。これらのことは、ts85細胞の熱耐性欠損はこの株の特異的変異である蛋白質ユビキチン化の温度感受性変異と密接に関連している可能性を強く示唆している。また、主要HSP合成の誘導は熱耐性発現に必須ではないことも示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)