Project/Area Number |
63055006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Fusion Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
戸田 三郎 東北大学, 工学部, 教授 (60005387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 雅弘 大阪大学, 工学部, 助教授 (50029287)
堀 豊 東北大学, 工学部, 助手 (20173619)
黒川 政秋 東北大学, 工学部, 助手 (70143021)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 液体金属 / 核融合 / ミスト / 高温高熱負荷 |
Research Abstract |
昨年度の実験結果より伝熱面面積が広い場合(伝熱面直径100mm)には熱伝達効率は60〜70%となった。1個のナトリウム液滴が伝熱面に衝突し液膜を形成し伝熱面上に存在する時間は、本実験の液滴径及び液滴速度では、数msec以上と考えられので、ナトリウム液膜が伝熱面上で熱伝導により伝熱面温度と等しい温度に達するのに必要となる時間より十分に大きい。また、伝熱面上に厚さ1〜2mm程度の液膜が形成されてもナトリウムの熱伝導率は水等の物質と比較して大きいため、滞留液膜による熱抵抗の効果は小さいと考えられる。さらに、伝熱面が低温の場合の観察結果及びテスト部を模擬した可視化実験(作動流体として水を使用)から伝熱面上には、かなりの厚さの滞留液膜が形成されていることが判明した(伝熱面が高温の場合には、非常に細かいナトリウム霧のため伝熱面の観察はできない)。以上の点から考察して、伝熱面積が広い場合には、液滴が合体して伝熱面上に厚い滞留液膜をつくりそれが熱抵抗となり、熱伝達率が低下するものと考えられる。以上の伝熱モデルを検証するため今年度は、新たに伝熱面面積が狭く滞留液膜が形成されにくいテストターゲットを製作しナトリウムミスト流冷却実験を行い、伝熱面温度並びに除熱負荷の分布特性について検討した。テストターゲットの伝熱面直径は18mmで、後部に巻かれたシースヒータにより加熱される。実験結果は、理論値(完全吸熱)とよく一致することが判明した。これは使用したテストターゲットの伝熱面面積が小さいためナトリウム液滴による滞留液膜が形成されにくく、そのためナトリウム液滴と高温伝熱面との直接接触が生じている結果と考えられる。以上のように液体金属ミスト冷却では、滞留液膜が伝熱面上に形成されない条件下では、顕熱冷却効率はほぼ100%であることが実証された。
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