トリチウムによるマウス個体での遺伝子突然変異の誘発
Project/Area Number |
63055023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Fusion Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 大成 大阪大学, 医学部, 教授 (90089871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 修 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (80034627)
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Project Period (FY) |
1985 – 1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | トリチウム水 / マウス / 体細胞突然変異 / RBE / 遺伝子突然変異 / 遺伝リスク / 毛色劣性遺伝子 |
Research Abstract |
マウスinvivo体細胞突然変異検出方PT-HTF_1法を用いることによりトリチウム水の哺乳動物個体での遺伝子突然変異誘発の量効果とPBEを求め、ヒトへの遺伝リスクの推定を試みた。 1.トリチウム水による遺伝子突然変異の量効果:トリチウム水0、0.7、2.2、4.4MBz/gを腹腔内注射した時の毛色変異スポットの頻度は、22/750(0.03)、13/133(0.10)、12/92(0.13)、22/85(0.26)と投与量に比例して、直線的に上昇していることがわかった。 2.胎児組織のトリチウム吸収線量:上記実験の同一マウスPT(×HT)に同一時期(妊娠10.5日目)にトリチウム水2.2MBz/gを腹腔内注射した。突然変異検出可能な4日間(胎齢10.5-14.5日)の吸収線量は、約30radであった。 3.Reference Radiation(X線緩照射):同一方法でX線の緩照射(0.44rad/min)を行った。変異スポットの発生頻度は33/192(0.17)で、小さなスポットが誘発されていた。 4.トリチウム水の遺伝子突然変異誘発に関するRBE:上記結果よりRBEを求めたところ32.7となった。 5.これまでの報告との比較:トリチウム水の哺乳動物を用いた遺伝的影響の研究は、わずかしかない。Russellらは、大量のトリチウム水を投与し、特定座位法で、生殖細胞での突然変異を求めている。1μCi/g当りの精原細胞作用による突然変異誘発率(1遺伝子座当り)は1.6×10^<-7>であり、我々の結果(1.8×10^<-7>)とよく一致する。精原細胞での。RBEもまたRusselらの推定結果は2.2でありよく一致していた。しかし、精子期作用によるRBEは、特定座位保による突然変異および優性致死いずれも、約1.0となり、違った値を示した。これは、精子の含水量を考慮しなかったためと考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)