赤血球分化増殖因子受容体の分子構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
63480056
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用生物化学・栄養化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 隆造 京都大学, 農学部, 助教授 (60077378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊倉 宏司 京都大学, 農学部, 助手 (00101246)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 1988: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | エリスロポエチン / 造血因子 / 受容体 / 受容体の可溶化 / 赤血球 / 膜蛋白質 |
Research Abstract |
各々の生物機能を持つ成熟血液細胞(赤血球など)は一定の寿命を持ち、生体は成熟細胞を補給し続けねばならない。この補給は、全ての血液細胞に共通の未分化な幹細胞の分化増殖により達成される。各々の細胞系列の分化増殖過程には、蛋白性の分化増殖因子が必要であり、各系列の成熟細胞の形成速度は因子の濃度により支配される。赤血球の分化増殖過程にはエリスロポエチン(Ep)が必要であり、Epは赤血球形成速度を支配する最も重要な因子である。Epの標的細胞はCFUーE(Colony Forming Unit-Eryth roid)と呼ぶ細胞集団であり、Epの作用によりグロビン合成を開始する前赤芽球へと分化する。グロビン遺伝子構造などについては膨大な研究があるが、Epによりグロビン遺伝子発現が誘導される分子機構については不明である。このようにEpの作用機構を解明することは、赤血球の分化増殖過程を理解するためには最も重要な課題であるにもかかわらず、研究が遅れた理由は純化Epを大量に得ることが困難であったためである。組換えEp生産が可能となり、この課題を本格的に研究することが可能となった。本研究では、Epの作用機構の第一段階である標的細胞上のEp受容体の分子構造を明らかにし、Epと受容体との相互作用の機構を解明することを目的として研究を行い以下の結果を得た。 1.ヒトの赤血球前駆細胞上のEp受容体について解析し、結合定数、親和力などを測定し、ヒトEp受容体の特徴を明らかにした。さらに、受容体ーEp複合体の分子サイズについても知見を得た。 2.マウスに移植可能な赤血球前駆細胞を使用して、Ep受容体の可溶化を試みた。生物活性を有する受容体の可溶化の条件を発見し、可溶化された受容体分子の検出法を開発した。 3.上述の可溶化された受容体を使用して、Epとの結合に関する動力学的解析を行ない、膜上の受容体と全く変化していなことを確認した。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)