神経細胞におけるCa依存性Clチャネルの発現とその解析
Project/Area Number |
63480100
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
山岸 俊一 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (70014032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 泉雄 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (80202183)
古屋 喜四夫 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40132740)
久木田 文夫 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40113427)
大沢 芳夫 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 非常勤の講師
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Project Period (FY) |
1988 – 1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | Clチャネル / 細胞内カルシウム / 神経細胞 / アフリカツメガエル卵細胞 / 生体膜 / 細胞内Ca / アフリカツメガエル卵母細胞 / イカ巨大神経 / Ca依存性Clチャネル |
Research Abstract |
神経細胞膜におけるイオンチャネルの研究では、これまで主にカチオンチャネル、即ちNa,K,Caチャネルが研究の対象であった。われわれは最近、イカ巨大神経およびラット脳のmRNA注入でグルタメ-ト受容体を発現させたアフリカツメガエル卵母細胞の2つの系で細胞内Ca^<2+>によってClチャネルが発現すると見られる知見を得るに至ったので、このような神経興奮部および神経シナプス部由来のCa^<2+>依存性Clチャネルの存在を確立し、その性格を明らかにすることを本研究の目標とした。 人工海水に浸したイカ巨大神経を用い、細胞内をK^+塩溶液(KCl、Kーglutamate)で灌流した条件ではK^+濃度10倍増加によりー25mVの変化が見られ、高いKイオン選択透過性を示している。K溶液中に0.3〜3mMCaイオンを加えて5分以上経過するとKCl濃度10倍増加により電位変化の勾配は逆転して+25mVのスロ-プを示すに至った。これはCaイオン投与後Cl透過性がK透過性を大きく上廻り、多くのClチャネルが開口したことを示している。細胞内カチオンをTrisやCsイオンにしたときも明瞭にCl濃度依存性の電位勾配が出現した。最初にCsCl溶液で灌流した場合、10倍濃度増加に対して+10mVのスロ-プを示し、コントロ-ル条件でCl透過性はCs透過性をわずかに上廻っており、当初から若干のClチャネルが存在しており、細胞内Ca^<2+>添加により、コンダクタンス比で見て6倍以上のClチャネル開口が示唆された。 一方、ラット脳mRNA注入をしたカエル卵母細胞にCell attatched patch clampを行い、グルタメ-ト投与時に記録される単一チャネル電流から、チャネルコンダクタンスは366psで平衡電位ー23mVでCl平衡電位を示し、外液Cl変化によりシフトすること、細胞内Ca^<2+>およびIP_3注入によっても同じ電流が発現することが示された。これはグルタメ-ト受容体反応が細胞内メッセンジャ-を経て、Clチャネル開口に至ったと見られる。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)