全胃温存膵頭十二指腸切除と消化管ホルモン分泌動態に関する実験的臨床的研究
Project/Area Number |
63480311
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
高田 忠敬 帝京大学, 医学部・第一外科, 助教授 (80075340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 伸一郎 東京女子医科大学, 消化器内科, 講師 (70075399)
安田 秀喜 帝京大学, 医学部・第一外科, 講師
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Project Period (FY) |
1989 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 膵頭十二指腸切除術 / 全胃温存 / Whipple法 / 胃内pH / 消化管ホルモン / 食事負荷 / セクレチン / ガストリン |
Research Abstract |
本年度は、24時間胃内pHモニタ-を用いて膵頭十二指腸切除術における全胃温存術式と胃切除付加術であるWhipple法を、消化管切除範囲の違いによる胃内pHの変動を比較検討した。手技としては、経鼻的に有線微少ガラス電極を胃内に挿入し、先端をX線透視下にて胃体部に固定する。胃内pHを24時間連続モニタ-し、変動パタ-ンと胃内pH3.0以上の時間帯率を計測した。 〔胃内pH変動パタ-ン〕(1)健常人(6例):日中における胃内pHは胃液中の蛋白分解酵素であるトリプシンの至適pHとされる3.0以下であるが、食事摂取後には胃内pHが一過性に3.0以上に上昇した。夜間にはpHが7.0以後となる逆転現象を認めた。(2)全胃温存術式(14例):日中安静時の胃内pHは3以下のことが多く、食事摂取にて一過性の上昇を示した。また、夜間胃内pHの逆転現象も認めた。術後の胃内pH変動はほぼ健常人に類似していた。(3)Whipple法(14例):健常人や全胃温存法で見られたような食後の胃内pHの一過性の上昇や夜間逆転現象を認めなかった。〔胃内pH3.0以上の時間帯率〕(1)健常人:24時間を100%とした場合にpH3.0以上の時間帯率(pH3.0holding time)は39.0±3.3%であった。(2)全胃温存術式:pH3.0holding timeは37.0±5.4%であり、健常人と比較して有意差を認めなかった。(3)Whipple法:pH3.0holding timeは95.6±8.2%であり、健常人および全胃温存術式と比較して有意に高頻度であった。〔結論〕全胃温存術式は、24時間胃内pHモニタ-による胃内pH変動パタ-ンおよびpH3.0holding timeが健常人とほぼ類似していたことから、Whipple法と比較してより生理的な再建術式であると思われた。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)