Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平出 吉範 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (30199038)
小笠原 正 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (10167314)
渡辺 達夫 松本歯科大学, 歯学部, 助教授 (40090162)
気賀 康彦 松本歯科大学, 歯学部・障害者歯科学講座, 非常勤助手 (00161406)
伊沢 正彦 松本歯科大学, 歯学部・障害者歯科学講座, 非常勤助手
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1989: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
1.在宅「ねたきり老人」については,これまでの往診治療や保健指導の効果を追跡調査するために,自治体の保健婦などとともに訪問して,口腔診査などを行った。今年度に新たな往診を求められた症例もあった。 2.多数の「ねたきり老人」あるいはそれに準じた人たちが収容されている施設として,特別養護老人ホ-ム「桔梗荘」,「白百合荘」,身体障害者療護施設「梓荘」,「太陽の園」精神薄弱者更生施設「今井学園」,「ひかり学園」を訪問し,入所者全員の口腔診査結果をもとにこれまでの取り組みの効果について調査した。 3.「ねたきり老人」あるいはそれに準じた人たちの口腔機能の特徴として,多数歯の欠損により咀嚼機能の著しい低下を認める者がきわめて多かった。とくに在宅療養者では,齲蝕や歯周疾患が長期間放置され,口腔清掃もきわめて不良となっている者が少なくなかった。しかし,巡回歯科診療が繰り返された施設の入所者では,歯科疾患はほとんど一掃され,口腔清掃も適切な指導を受けた施設職員の介助によって,かなり良好に維持できるようになることが明らかとなった。こうした人たちの口腔機能の改善には,日常生活の介助者が重要な役割を果担うものであり,そうした人たちに対する指導と訓練方法の確立が必要であると考えられた。 4.多数歯欠損者では,有床義歯の装着により咀嚼機能の改善が得られた症例も少なくなかったが,中等度以上の知能障害を合併する者では,可撤式義歯の使用に対するレディネスが失われることが明らかとなった。中高年者の歯の喪失を防ぐ保健システムを確立することの重要性が,あらためて示唆された。 5.全身疾患の合併のため,不用意な歯科診療には重大な危険を伴うような症例でも,入院歯科治療によって口腔機能はもちろん,全身的にも著しい改善がみられることが少なくなかった。
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