小学校教師の職能発達メカニズムに関する調査研究-個人生活史における「自己概念」の形成過程の分析を中心にして-
Project/Area Number |
63510124
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
西 穣司 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (70120095)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1988: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 職業的能力 / 職能発達 / 自己概念 / 生活史 / 執務態度 |
Research Abstract |
小学校教師の職業的能力の発達(以下、「職能発達」と省称)メカニズムの解明を企図して3種類の調査を実施した結果、次の知見を得た。 1.小学校教師の自己概念(解放性、努力主義、自信、達成動機)の肯定度と、他者評価による当該教師の職能水準との間にやや高めの相関性があり(相関係数0.673)、本研究の仮説が既に検証された。 2.第1次(自己概念)調査の結果に基づいて実施した「個人生活史に関する面接調査」 (対象61人)の結果、以下の知見が得られた。 (1)大学(教員要請過程)在学中の学習・生活態度が、教職入職後の執務態度にも既に引き継がれており、とくに研究的活動への意欲や実績と深く関連している。 (2)自己概念の肯定度が高く、他者評価による職能水準の高い教師は、準拠する明確な教師モデルを身近にもち、実際にも積極的に接触し、指導助言を受ける機会を多くもっている。 (3)自己概念の肯定度が高くないにも拘わらず、他者評価による職能水準が高い教師が2割弱あったが、この教師群は自己のペースで地道で切実な執務態度を保持しており、やはり職能発達を遂げつつある教師群と受け止め得る。 (4)家事・育児負担の過重など家庭生活の条件の厳しい30歳代女性教師の大半が、潜在的には職能発達の可能性をもちながら、日常的には職能発達のための時間や条件に恵まれていない。 3.本研究全体を通じて、教師の職能という課題自体の複数性も手伝って、定量的な調査手法(質問紙法)の限界を改めて確認せざるをえなかった。今後、定量的な調査手法の妥当性を吟味しいっそう洗練するとともに、調査対象を中学・高校教師に拡大するなどして、本研究をさらに拡充・発展させたいと考える。
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Report
(1 results)
Research Products
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