Project/Area Number |
63510150
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
林 信弘 立命館大学, 文学部, 助教授 (70121613)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1988: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 教育の国家管理 / 世俗学校と自由学校 / 統一学校(ecole scolaire) / 学業不振(echec scolaire) / イデオロギー装置としての学校 / 相続人たち(heritiers) / ブロック化の原則 / 教育の多元化 |
Research Abstract |
本研究は、次の三つのテーマに焦点を絞って研究を行った。1.近代フランス学校教育史-(1)教育の中央集権化の歴史的過程、(2)世俗学校対宗教学校の紛争史、(3)統一学校改革史-の考察。主要基礎文献としてはA・プロスト『フランス教育史』、P・シュヴァリエ他著『フランスの教育-革命から現代まで』を使用した。2.現行のフランス学校教育システムの調査・分析。これについては、ミッテラン政権下の一連の教育改革案、並びに「サヴァリ法」制定時(1983年)の議会の審議内容を基礎文献として使用した。3.現代フランス(学校)教育思想の調査・分析。このテーマでは特にE・スーラマン著『フランスのエリート』をめぐり、同学の士と輪読会をもった。 以上の研究を通じて、今日フランスが予想以上に厄介な教育問題をかかえていることが明瞭となった。1.公正な競争原理が作動しにくい選別教育・エリート教育による学歴社会の重圧、2.リセ(普通高校)への進学率の低さ、3.学業不振児の溜り場となっている職業コース・職業学校、4.移民の子どもたちの劣悪な教育条件、5.毎年non-diplomesのまま教育システムからはじき出される20万人を越える若者群、6.自殺・非行の高い比率、7.教師・親・子どもの相互交流の希薄さ、8.驚くほどcloisonneされたカリキュラム・システム、9.高等教育・研究機関の二元性(大学対グランドゼコール、大学対CNRS)の非効率性等々、難問が山積しているのである。今後の研究課題は、これら難問の由って来たる本質的原因を、フランス社会の基本構造(高度産業社会下のギルド的・官僚的・階級的構造)にまで遡って究明することにある。 なお本研究の副産物として、現代フランス社会の21世紀的争点の一つとなっている「移民とその子どもたちの社会参加」をめぐる議論を取り扱った好著『外国人労働者のフランス』を監訳出版した。
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Report
(1 results)
Research Products
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