Project/Area Number |
63510188
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Kanazawa Seiryo University |
Principal Investigator |
藤井 一二 金沢経済大学, 経済学部, 教授 (00139742)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 古代村落 / 計画的村落 / 自然的村落 / 東大寺開田図 / 荘園村落 / 集落構成 / 村落景観 |
Research Abstract |
古代村落に関する文献ならびに考古学的資料について、(イ)「戸」を中心とする家族関係資料と、(ロ)「村」「郷」を中心とする村落関係資料に整理し、さらに(ロ)の資料を(a)自然的村落、(b)計画的村落に類別し、その特徴を検証した。その概要は以下の通りである。 1.上記のうち(b)計画的村落の性質をもつ荘園村落に関して、基礎的作業として正倉院等に伝わる東大寺開田図」の中の景観描写を検討した。その中で、造東大寺司から現地へ派遣された算師の関与した絵図に注意し描写の方法と体裁について吟味したが、天平宝字3年(759)11月14日越中国諸荘絵図(砺波郡伊加流伎・石粟、射水郡〓田・須加・鳴戸・新川郡丈部・大荊村)、同年12月3日越前国足羽郡糞置村絵図等の検討を通じて、(1)天平宝字3年の諸絵図は同一人物(算師)の描写とは見做し難い点や、(2)絵図作成における郡衙の関与、さらに(3)山水景観の描写に画師もしくは画法を習得した官人等が参画した可能性のつよい点を推察した。 2.また(a)自然的村落の代表例として小矢部市桜町遺跡に焦点をあてて検討した。同遺跡は小三昧前・坂東・産田・中出地区を中心に古墳時代末から奈良・平安時代前半にかけて掘立柱建物跡100棟以上が検出され、古代社会における継続性をもつ村の景観と構成を窺うことが出来る。このうち中出地区から墨書土器=「長岡神(社)」「長岡」「大祝」「袮宜」等が出土したが、地方の神社と神職の名称が同一箇所から一括して出土した点は重要である。神名「長岡」は和名抄の郷名「長岡」とも符合するので、古代の「郷」と「村」と「社」の関係を示唆するものと考えられる。この点から推考すれば、一つは袮宜・大祝ら神職の生活拠点=「家」が桜町の集落内に存在した可能性であり、いま一つは祝の任務からみて墨書出土地から程遠からぬ地に長岡神社の祭祀施設が存在した可能性であろう。以上、村落の成立契機・集落構成・景観の基礎的考証を踏まえ、具体相を更に究明したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)