十八世紀オーストリアにおける啓蒙的絶対主義の統治構造と政策理念に関する研究
Project/Area Number |
63510221
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
丹後 杏一 有明工業高等専門学校, 一般科, 教授 (80110203)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | マリア・テレジア / ヨーゼフ2世 / 啓蒙主義 / ハプスブルク王朝 / オーストリア改革 / ウィーン / 多民族国家 / ナショナリズム |
Research Abstract |
当初の研究実施計画においては、本年度は十八世紀後半のオーストリア改革、とくにヨーゼフ2世の啓蒙主義的改革が挫折へとみちびかれるにいたった諸要因を、 (1)社会経済的背景、 (2)ハプスブルク朝オーストリア国家の多民族国家としての特殊性、 (3)改革理念の問題、 (4)ヨーゼフ2世の人間性の問題という四つの角度から具体的に分析、考察するという予定でいあったが、現実に研究を進める過程において、このような多面的な考察を年内に完結いさせることは文献資料の面から見ても不可能であることが判明した。そこで、本年度は上記の研究計画を中途で大幅に修正変更し、次の三点に焦点をしぼって研究を行った次第である。 〈1〉マリア・テレジアからヨーゼフ2世へといたる十八世紀後半のいわゆるオーストリア改革の歴史的意義や改革に対する評価の問題に焦点を据え、1980年にウィーンで開催された二百周年記念の学際的シンポジウムの成果を紹介することを通じて綜合的な考察をおこなった。 〈2〉あらたに「ハプスブルク全体国家におけるナショナリズムの形成」という小テーマを設定し、十八世紀後半から十九世紀初めにかけて漸次醸成されたオーストリア全体国家のナショナリズムの問題を、同時並行して成長しつつあった諸民族のナショナリズム形成という全く相反した傾向と対照させ乍ら考察を進めた。 本年度の研究テーマから若干外れるが、ハプスブルク王朝の全体史に対する関心から、西ドイツの史家ゲオルク・シュタットミュラー(G.Stadtmiiller)の著"Geschichte der habsburgischen Macht"(『ハプスブルク朝史』)の翻訳を行った。 以上の研究成果を年度内に発表できなかったのはきわめて不本意であるが、何とか明年度内にはまとめて公表する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)