第1次大戦後のオーストリアにおける社会化運動の研究
Project/Area Number |
63530025
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済事情及び政策学
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
米川 紀生 三重大学, 人文学部, 教授 (80018639)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | オーストリア・ハンガリー君主国 / オーストリア第一共和国 / 社会化 / レーテ / 経営協議会 / 共同経済 / 公企業 |
Research Abstract |
私は、当該課題に対して、以下のような文献収集と研究を行なった。 1.先ず、オースリアの社会化運動の総体把握の基礎作業として、独墺の社会化文献を関係機関で実際に調査・収集した。例えば、九大(南池文庫、経済学部・法学部図書室)、京大(河上、ビュヒャー文庫、経済学部・法学部図書室)、法大(大原社研、協調会文庫)、一橋大(メンザー、シュンペーター、村瀬文庫、古典資料センター)、及び東大(経済学部・法学部、社研図書室)。長崎大、小樽商大、北大、国会図書館等からも、当該文献の複写を行ない収集した。又、内外の関連文献をも入手し利用した。 2.次に、こうして収集した基本文献を整理・分析した。オースリアと類似したドイツの社会化運動の一端を、カウツキーとベルンシュタインを中心としてまとめた(拙稿「Karl Kaufskyの「社会化」論、Ed.Bernsteinの「社会化」論)。それはヒルファーディングのように、タイプとしては、SPDの社会化成熟論の延長線上にあることが判明した。 3.更に、このドイツの事例をベースに、オーストリアの社会化運動を、O.バウアー理論の展開過程との関連で解明した。その結果、彼(従ってオーストリア)の社会化論も、SPDの社会化論と同様、社会化成熟論として規定できることを知った。しかも、生誕なお浅日のオーストリア第一共和国の初期段階では、社会化運動が政・労・使間で「共同経済公社」として具体化していった。従って、オーストリア社会化運動の成否は、この「共同経済公社」の動向にあることが明確化された。 4.しかしながら、「共同経済公社」の実像を社会主義化委員会のホットな審議過程から摘出するまでにはいたらず、今後の課題として残された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)