Project/Area Number |
63530050
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public finance/Monetary economics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石見 徹 東京大学, 経済学部, 助教授 (30105845)
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Project Period (FY) |
1988 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1988: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 多国籍銀行 / 国際資本移動 / ユ-ロ金融市場 / 金融の国際化 / 国際金融 / 競争と規制 / 国際通貨 / 金融不安 |
Research Abstract |
本年度の第一の成果は、国際銀行業務に固有な特質、とりわけユ-ロ金融市場との関連を考察した論文が公刊されたことである(裏面の発表書名を参照)。さらに本年度は、日本の銀行が多国籍化するに至った背景として、「金融の国際化」と総称される現象を多面的に検討することにした。この現象は(1)金融機関(銀行)、(2)金融市場,(3)通貨という三つの次元の国際化に区分されるが、三者の関連を高度成長期以来の歴史の中で、また国際比較を含めて、研究を進めることができた。さしあたり解明できた点は以下の通りである。 邦銀の世界的なシェア拡大は、外国市場において外貨(ドル)建の取引に依存して実現した。すなわち、日本の場合は(2)、(3)の国際化が立ち遅れているが故に、(1)の急展開が生じるという関係がみられる。(2)に関しては、1980年代の一連の自由化措置によって加速されたが、日本市場では非居住者間の取引に以然として限界がある。それは、高度成長期から根強い閉鎖的な取引慣行も一因ではあるが、より基本的には、円が十分に国際化していない点に帰着する。(3)について、国際通貨としての比較優位は一面では金融市場の整備が条件になる((2)が(3)を規定する)が、ドイツマルクとの対比では、貿易取引における円の地位の低さが目立つ。貿易品目、相手国など実物的な関係が、通貨の国際化、ひいては金融市場の開放性にも影響すると考えられる。 以上のような論点は、デ-タ面での裏付けや論理的整合性に不十分な点があり、残念ながらまだ公表する段階には至っていない。なかでも「市場の国際化」に関して、外国の制度、慣行をさらに調査士、日本市場の特徴をより一層明確にすることが必要であると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)