Project/Area Number |
63530060
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
商学・経営学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮下 國生 神戸大学, 経営学部, 教授 (60030714)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Keywords | 国際物流の水平的構造 / 国際物流の垂直的構造 / 物流システム / 複合輸送 / ロジスティックス / 製品差別化 / 製品標準化 / コンテスタブル |
Research Abstract |
1.本研究は、わが国の国際物流システムの基礎的研究部分と環太平洋におけるNIESとわが国の海運業の総合物流政策のあり方を比較するという戦略部分の二者より構成される。 2.「国際物流システムの基礎理論の研究」では、従来、物流論の見地からは商品の垂直的物流システムの分析に重点がおかれ、交通市場がそこに水平的にどう関係しているのかを意識した研究がなかった点を配慮して、国際物流の垂直的並びに水平的構造を基礎的に解明するように努めた。(1)まず水平的物流構造の解明では、日本の輸出入貿易関数と国際交通機関の代替・補完関数を結合して、これを世界規模で計測した結果、空運と海運の補完関係を確定できた。(2)さらに日本と北米、西欧、アジアの三地域間の物流では、日米では補完関係が、日欧では代替関係が、一方アジアとの間では不安定な代替・補完の関係が存在することを実証し、水平構造の研究領域を拡大しえた。(3)これをうけて製品差別化という生産に関係する垂直要因が地域間国際物流に及ぼす作用を計測した結果、わが国の輸出物流が3種類の製品差別化に、また輸入物流が2種類の製品標準化によって垂直的に誘発されている構造を解明できた。(4)今後の研究では、製品差別化・標準化論をベースに、わが国の直接投資・多国籍企業戦略とリンクした形の国際物流論の分野を開拓し、ロジスティクス戦略論を拡充する計画である。 3.「太平洋海運物流の研究」では、わが国とNIESの海運業の複合輸送戦略を計測した結果、1980年代に入り、各国の戦略が総合物流戦略の名のもとに均一化し、そのため各国の摂取比率も安定的均衡に向かっていることが確認できた。このことが規制緩和のもとでコンテスタブルな様相を示す太平洋市場での各国の協調行動を説明することが明らかとなった。ただこれとヨーロッパ型物流との比較は今後の検討に残された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)