Project/Area Number |
63540225
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
核・宇宙線・素粒子
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中原 弘道 東京都立大学, 理学部, 教授 (00027137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永目 諭一郎 日本原子力研究所, アイソトープ部, 研究員
末木 啓介 東京都立大学, 理学部, 助手 (90187609)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Bimodel Fission / ^<232>Th / 陽子誘起核分裂 / 速度分布 / 質量収率曲線 |
Research Abstract |
原子力核が分裂する際に、2つの異なる変形過程を経て同じ質量分割に到る現象をBimodal核分裂過程という。この現象は^<258>Fmなどの重アクチノイド核の分裂で見出されたが、本研究では軽アクチノイド核について、その可能性を検証することを目的とした。 本研究の遂行には、時間分解能の良い飛行時間測定装置及び測定法の整備が必須であり、まず、それらを完成させた。2つの分裂片の速度を同時に測定するために、飛行距離1mの飛行管を散乱槽に180°方向に2本設置した。(運動力学によるズレに対応できるように配慮)飛行時間は管の入口に設置したチャンネルプレートと、管の末端に設置した分裂片エネルギー測定用の半導体検出器との信号の時間差で求めた。時間分解能は300psで、速度の精度として0.3%以内を達成できた。データ収集には日本原子力研究所のシステムを使用し、リストモードで事象ごとに7種類の情報を磁気テープに記録させた。また、分裂片の質量と速度を求め、その相関を調べる解析プログラムを作成した。 これまでに2回照射実験を行った。原研のタンデム加速器を用いて、13.5MeV陽子をセルフサポートの^<232>Thターゲットに照射して約16,000事象の核分裂を観測した。飛行時間の較正は、^<127>I^<19+>ビームを230MeVまで加速してBa、Srターゲットに照射し、入射粒子の弾性散乱及びターゲット核の反跳事象の測定によって行った。半導体検出器のエネルギー較正は、^<252>Cf線源を用いてSchmittらの方法に従って行った。 現在、まだデータを解析中で、最終結果を得ていないが、これまでの予備時間から、測定系、データ収集系などが計画通りに作動しており、核分裂事象を十分に統計よく観測できることがわかったので、当初の研究目的を達成する見通しがついた。これからデータ解析を精力的に行うとともに、さらに実験を繰返して行う予定である。
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