KDPとDKDPの高圧下における構造解析とラマン分光
Project/Area Number |
63540251
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
遠藤 将一 大阪大学, 極限物質研究センター, 教授 (10001843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 正晴 北海道大学, 理学部, 教授 (60001682)
中島 信一 大阪大学, 工学部, 助教授 (20029226)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | KDP / DKDP / 高圧下の構造解析 / 水素結合 / 強誘電体 |
Research Abstract |
強誘電体KH_2PO_4(略称KDP)と重水素置換したKD_2PO_4(DKDP)について、6GPaに至る圧力下で単結晶X線構造解析を実施した。格子定数と酸素の原子座標からHあるいはDを除く各原子間距離と角度が圧力の関数として得られた。正方晶の格子定数a、cの両者に異常(折れ曲がり)が見られた圧力Pc(KDPで2.7GPa、DKDPで4.2GPa)を境に構造変化の様子に違いが得られた。 1.oーPc領域 圧力の増加とともに、(i)PO_4四面体同志を結ぶ水素結合の長さRoーoはほぼ直線的に減少する、(ii)PO_4自身は縮まない、(iii)PO_4は4回の回映軸のまわりに回転する。その結果、水素結合距離の減少の割合はa軸の縮みから予想される値にくらべて小さくなっている。 2.Pc以上の領域 (i)Roーoは一転して増加に転じる、(ii)PO_4は縮み始める、(iii)PO_4の回転は依然として続く。この場合、a軸の縮みは(ii)と(iii)に吸収されることになる。 得られた結果中、最も興味のもたれるのはPcにおける水素結合ののびである。PcにおけるRoーo値はKDP、DKDPともに松下・松原によってH(D)がO……Oの間の中心に来ると計算された値にほとんど一致する。従来の水素結合の概念を越える新しい知見が得られた。 なお、水素結合と両端のPO_4四面体の間には挙動に関し密接な相関のあることが明らかになった。最近、この型の結晶における強誘電惟の起源についてはPO_4双極子の秩序・無秩序転移との見方があり、今回の相関はこの問題について重要な貢献をすると思われる。水素を直接みる中性子回析実験や誘電率測定も考えている。ラマン分光については準備が整い、高圧下、1Kまでの低温領域での実験を開始する段階に来てる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)