Project/Area Number |
63540368
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
構造化学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 薫 東京大学, 教養学部, 助手 (40182597)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Keywords | 超音速ジェット分光 / レーザー誘起螢光スペクトル / けい光分散スペクトル / 誘導放出スペクトル / 高振動励起状態 / 量子カオス / 非調和相互作用 |
Research Abstract |
1.超音速ジェット中で極低温(〜5K)の回転温度にあるSO_2(二酸化イオウ分子)のレーザー誘起螢光スペクトルを測定した。その結果、42573cm^<-1>よりも高エネルギー領域にあるC〔D4n〕D4^1B_2状態の振電準位の分布を明らかにするとともに、それらの振動量子数の帰属を行なった。また、振電準位間のコリオリ相互作用を回転構造の解析によって考察した。 2.振動量子数の帰属が明らかになったC〔D4n〕D4^1B_2状態の準位のうち8個の準位をえらび、その螢光分散スペクトルの測定した。励起にあたっては、回転準位まで選択した。また、スペクトルの分解能は10cm^<-1>程度である。測定された遷移のうち90%にあたる1388本を帰属し、振動準位としては、電子基底状態X〔D4n〕D4^1A_1の3000-23000cm^<-1>の範囲に分布する416準位のエネルギーが明らかとなった。準位エネルギーは展開係数wi(i=1-3)、xij、(i≧j)、Yijk(i≧j≧k)を用いた非調和展開によって表わされた。展開式と実測値との残差は、その絶対値が10cm^<-1>以下であったので、測定された範囲のエネルギー領域では非調和相互作用による準位のシフトは分解能以下であることが示された。 3.更に高分解能で振動準位を観測するために、誘導放出分光法により、17000cm^<-1>以上の3つのエネルギー領域の振動準位構造を測定した。分解能は0.5cm^<-1>である。測定された誘導放出スペクトルと(2)で測定した螢光分散スペクトルを比較したところ、誘導放出スペクトルにおいては帰属不能な準位が数多く存在することが見出された。例えば、22000cm^<-1>の領域においては、観測された準位のうち50%は非調和共鳴の結果現われたものである。更に高いエネルギー領域では非調和結合がすすみ、アセチレンで見出されている様なカオス的な量子準位構造が現われると推測された。また、螢光分散スペクトルを自己相関関数、相互相関関数を用いて統計的に処理することにより非調和相互作用を調べた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)