有機硫黄化合物を用いる新しい有機合成反応の開発と天然物合成への応用
Project/Area Number |
63540390
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機化学一般
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
木下 英樹 金沢大学, 理学部, 助教授 (20019483)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | スルホン / ピロール / ポルフィリン |
Research Abstract |
1.多置換ピロール類の新規構成法の開発とポルフィリン化合物への変換 i)入手容易なα-シアノビニル型スルホンを出発物質とし、1、3-ジオキソランの光照射により3-シアノ-3-メシルプロパナール=エチレン=アセタールを調製し、αー位のアルキル化、シアノ基の還元、アミノ基をメシル化した後、酸処理することによりN-メシル-3、4-二置換ピロール誘導体を効率よく合成することができた。 ii)N-(2-メチルチオ-1-P-トルエンスルホニルエチル)メタンスルホンアミドと3-トシルプロパナール=エチレン=アセタール誘導体との塩基性条件下による反応により得られる付加生成物を単離することなく酸処理すると、それぞれ対応する2-メチルチオメチル-3、4-二置換ピロール誘導体に導くことができた。 iii)ii)で得られた生成物をスルホキシド誘導体に酸化したのち、メタノール性2M-KOHと処理すると定量的に2-メトキシメチル-3、4-二置換ピロールに変換され、メタノールーギ酸中反応させると対応するポルフィリノーゲンに環化し、更にジクロロメタン中酸素雰囲気下酸化することにより、極めて高収率でポルフィリン化合物に導くことができた。 2.パラジウム(II)触媒を用いる合成反応 2-(P-トルエンスルホニル)-3-ブテノールや2-メタンスルホニル-4-ペンテニルアミン誘導体に対し、Pdcl_2を作用させると円滑に分子内環化反応が進行し、それぞれ対応するフランやピロール誘導体が好収率で得られることを見い出した。 3.ビニル型スルホンの異性化反応における立体化学 塩基性条件下、(E)-ビニル型スルホンからは(Z)-アリル型スルホンへ、(Z)-ビニル型スルホンからは(E)-アリル型スルホンへ優先して異性化反応が進行するという極めて興味ある事実を見い出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)