Project/Area Number |
63540417
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
天然物有機化学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福沢 晃夫 北海道大学, 理学部 (60094843)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | シスト線虫 / ふ化促進物質 / ジャガイモシストセンチュウ / ハッチング物質の分離・同定 |
Research Abstract |
過年度までに得られた知見より、ジャガイモシスト線虫のふ化促進物質は、極めて不安定であることが明らかとなっている。しかしジャガイモ根券滲出液は、水溶液の状態で比較的安定であることから、水和が安定化に寄与していることは判るものの、その不安定性の真の原因は未だ不明である。ふ化活性物質の分離・精製に当っては、多段階の濃縮乾固を繰り返すため、出来るだけ早く原因を見い出す必要がある。そこで、今年度は、保存中の失活を防止するため液体窒素冷却容器中、-196℃にてサンプルを投入、活性低下があるかどうか調べた。この結果氷結状態および乾燥状態において、6ヶ月間ほぼ保存可能であることが分かった。ただし、濃縮に当っては30℃以下で操作しても失活であり注意を要した。 今年度の原料として、トマト生根を用いた。前年度までトマト乾根を用いたものの、風乾、4ヶ月間室内保存後の活性値は変動が大きいためである。そこで原料入手先を札幌市福移、廃熱利用園芸団地に変更し、冬期(12月)に2トンの生トマト根を入手した。室内(0℃)に保存し水抽出を5℃以下で行った。濾過後活性物質をアンバーライトXAD-2に吸着、アセトン脱着、濃縮を30℃以下で行い、粗抽出物を10kg当り乾固状態で3g得た。活性値は10^<-4〜-5>g/mである。このものを-196℃で保存し失活を除いだ。この一部を用い、アンバーライトXAD-2カラムクロマト、次いでセファデックスG-10カラムクロマトに付し、純化した。活性分画は、2ヶ所に表われ、活性値は10^6g/mまで上昇した。なお活性値は冬期のため一桁程低下していると考えられる。現在大量抽出を行い、粗抽出物として蓄積している。すでに前年度において活性値を10^9g/〓まで上昇させているので、その手順に沿い、今後大量の処理、分離・精精を行う。また、極低温保存中のサンプルについて、数ヶ月毎に活性試験を行い、定量的に失活原因を求明しながら単離を行う。
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