Project/Area Number |
63540531
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水野 孝一 大阪大学, 理学部, 助手 (40110845)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 高等植物細胞の細胞骨格 / 二重鎖フィラメント / 微小管 / アクチン / ATPase活性 |
Research Abstract |
高等植物細胞の分裂、分化に伴ない微小管やアクチンの分布や形態が大きく変動し、細胞にとって最も適した機能を有するように再配列したり、消失したりする事は最近明らかにされつつある。また今まで知られていなかった新しいタイプの細胞骨格構造を形成するいくつかの蛋白が私達により発見され、その機能が明らかにされつつあるが、これらも細胞の分裂・分化に重要な役割りを果たしているようである。その新しい細胞骨格蛋白の一つで、細胞膜分画にあり0.3MKClを含む衡衝液により可溶化され、低塩条件下で特徴的な二重鎖フィラメントを形成するものが見い出された。当初この蛋白は分子量は約100Kdと推定されていたが、その後の詳細な分析により約70Kdの蛋白である事がわかった。陰イオン交換樹脂DEAEーSephacelによる精製ではこの70kd蛋白は0.1MKClで溶出され、濃縮後27℃にするとただちに重合する。この蛋白に対する抗体をマウスから作製し、タバコ培養細胞を用いて蛍光抗体法を行なうと微小管やアクチンフィラメントとは明らかに異なる形態を示す繊維系が観察された。この繊維系は間期細胞の表層に細胞軸に平行に配列しているが分裂期には消失していまう。やがて分裂終了と同時に再び出現することから細胞のstageと同調して分布が変動するものと考えられ細胞形態の維持に重要な役割りを果たしているのかもしれない。ATPase活性とこの繊維系の機能との関係は重大な問題であるが現時点では明らかになっていない。細胞内transportに関与しているものと期待されるがそのためには電子顕微鏡による観察が不可欠であろう。今後は金コロイドを結合した抗体により電子顕微鏡レベルでこの繊維系の存在部位を特定し、微小管やアクチン系等との関連をも調べていきたい。予備実験では微小管構成蛋白であるチューブリンと相関が有るのではと思われる結果が得られたので今後はこれも確認したいと考えている。
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