Project/Area Number |
63540636
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Stratigraphy/Paleontology
|
Research Institution | Osaka Museum of Natural History |
Principal Investigator |
那須 孝悌 大阪市立自然史博物館, 学芸課, 主任学芸員 (30110042)
|
Project Period (FY) |
1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1988: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 沖縄本島 / 後期更新世 / 花粉分析 / 花粉・胞子化石 |
Research Abstract |
沖縄本島北部には非石灰岩成の海岸段丘が分布しており、その多くは赤色土化の著しく進んだ砂礫層から成る。しかし名護市許田と宇出那覇には植物化石を含む海成粘土層を挟在する低位および中位段丘構成層が分布している。1988年4月の日本地質学会第95年学術大会(琉球大学)では、従来得られた知見をまとめて「沖縄本島北部の許田および宇出那覇段丘構成層から産出した植物遺体と花粉化石」と題して発表した。 同じ4月には沖縄本島北部全域の段丘分布と構成層について現地調査を実施した。また、8月31日〜9月5日には、植物分類学者の瀬戸剛氏の協力を得て、沖縄本島北部の植物相と植生に関する現地調査を実施するとともに、比較用現生花粉・胞子試料と、宇出那覇段丘構成層の分析用試料を採取した。 持ち帰った試料を花粉分析した結果、コケ植物2科3タクサ、シダ植物11科27タクサ,裸子植物5科16タクサ、被子植物36科55タクサ、合計54科91タクサの花粉・胞子・遺体化石が検出された。これらのうちには現在の琉球列島にも日本列島にも自生していないタクサが12例、琉球列島には自生していないタクサが19例含まれている。全体として見れば、第三紀植物群の残存要素、前期更新世の日本列島温帯要素、および亜熱帯要素によって構成されている。亜熱帯要素は風および海流によって運ばれやすいタクサである。従って沖縄本島の植生は、第四紀更新世中頃に大陸から分離して以来、第三紀型要素および寒冷期に南下した温暖要素の漸次的消滅と、亜熱帯要素の移入によって成立したものと考えられる。この研究成果は1989年2月18日に、自然史講座 「沖縄の森-その成立過程を考える」(於大阪市立自然史博物館)と題して講演した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)