短距離相互作用スピングラス状態の動的応答現象に関する計算機シミュレーション
Project/Area Number |
63540665
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
夏目 雄平 千葉大学, 理学部, 助教授 (80114312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 隆史 千葉大学, 理学部, 助手 (70189075)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Keywords | スピン動力学 / コンピュータ / シミュレーション / スピングラス / 動的応答 / 磁気共鳴 / 酸化物超伝導体 / 量子スピン系 |
Research Abstract |
化合物混晶磁性体で実現している短距離相互作用系スピングラスについて、特にその動的応答現象を解明するため、計算機によるシミュレーションを中心とした研究を行った。具体的には磁場を断熱的に変化させた際の応答及び、動的性質が最も直接的に現れる磁気共鳴現象について計算を適用した。又、この研究テーマが対象とする相互作用が競合した化合物磁性の問題は、単に磁性体研究の範疇にとどまらず、最近、注目を集めている銅酸化物混晶系の超伝導現象が、そのような磁気的相互作用競合と密接な関係があることが指摘されて以来、動性物理学分野の最重要課題の一つとなりつつある。本研究も、スピン動力学の観点にたって、相互作用の競合する系の量子スピン系の問題を論ずることによりその関係の解明をも目的の一つとした。 1.計算システムについて 計算は大規模なもので、設置したパーソナルコンピュータとそれを端末としたスーパーコンピュータシステムを積極的に用いて実行した。 2.計算結果及びその検討について スピングラスの動的応答をコンピュータ上に再現することにより、系の性質が精密に理解できるようになった。また、磁気共鳴現象についても、このシミュレーション法による表現が初めて可能になった。これにより、特に実験的に困難な高振動成分の解明が可能となった。 3.銅酸化物混晶系超伝導体の磁気的性質について スピン動力学の立場から研究した。まず、相互作用の競合している量子スピン系の基礎的性質を解明するため、その特徴を反映させたモデルを設定し、その固有状態を調べた。さらに、そのようなスピン系の示す特徴が超伝導現象とどのような関係にあるかを調べた。このテーマは今後、さらに積極的に展開してゆく計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)