Project/Area Number |
63550035
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理計測・光学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内川 恵二 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (00158776)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 色覚メカニズム / 色チャンネル / 輝度チャンネル / 時間的たし合わせ特性 / 空間的たし合わせ特性 / インパルス応答 / 刺激の検出閾 |
Research Abstract |
1.視覚系への色刺激呈示用のコンピュータ制御によるカラーCRTディスプレイシステムを完成させた。2.視覚系の色チャンネルと輝度チャンネルの個々の時間特性を詳細に調べるために、呈示持続時間15msの2個の色度変化刺激光(C_1とC_2)および2個の輝度変化刺激光(L_1、L_2)を用意し、C_1とC_2、あるいはL_1とL_2を継時的に呈示し、その変化閾検出における時間的たし合わせ特性を調べた。その結果として、色チャンネルでは100msにピークがあり、300ms間持続する一相性の興奮型応答、輝度チャンネルでは100msに正のピーク、150msに負のピークがあり、300〜400ms間持続する二相性の興奮・抑制型応答が求まった。3.色輝度チャンネルの相互作用を調べるために、色度変化と輝度変化の両方の変化を持つ刺激C_1+L_1とC_2+L_2の時間的たし合わせ特性を調べた。その結果として、L_1とL_2は微小変化ならばC_1とC_2のたし合わせには効果をおよぼさないことがわかり、色チャンネルを輝度チャンネルは視覚系末端部レベルではほぼ独立に応答していることが明らかとなった。4.色、輝度チャンネルの空間特性を調べるために、C_1とC_2の時間的たし合わせにおよぼす刺激視野サイズの影響を調べた。その結果、色チャンネルの時間特性は刺激視野サイズによらないことが示され、輝度チャンネルの時間特性とは異なることが明らかとなった。5.以上2〜4の結果をまとめ、視覚系末端部での色、輝度チャンネル構造のモデルを作成した。これはまず、末端部1次レベルでの赤錐体からの興奮信号と緑錐体からの抑制信号がそれぞれ中心と周辺に入力するRonGoff型セルと、その逆のGonRoff型セルが2次レベルで作られ、次に3次レベルで両セルの出力の和(輝度)と出力の差(色)をとるチャンネルが独立に存在するという3層モデルであり、本研究結果およびこれまでの実験結果を極めて簡単に説明することのできる初めてのモデルである。
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