Project/Area Number |
63550059
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Aerospace engineering
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 欽也 京都大学, 工学部, 助手 (00026220)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢富 盟祥 京都大学, 工学部, 助手 (90135541)
野島 武敏 京都大学, 工学部, 助手 (40026258)
|
Project Period (FY) |
1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Keywords | 形状記憶合金ファイバ / 機能性複合材 / 界面剥離 / 変形挙動 |
Research Abstract |
チタンニッケル系形状記憶合金はその優れた耐環境性、耐疲労性の故に自己修復能力のある構造材、あるいはアクチュエーター機能を生かした制振材として今後宇宙構造物、海洋構築物に利用され得ると考えられるが、そのためには高分子材との複合化や他の複合材とのハイブリッド化による軽量化、高性能化が必要である。本研究では形状記憶合金をファイバとする高分子複合材を作成しその静的及び動的力学特性を調べると共に、構造物のアクティブ振動制御手段としてのこの種の機能性複合材の有用性を明らかにしようとする。実施した研究内容及び得られた結果の主なものを次に示す。1.直線状に形状記憶処理したTiNi細線(直径0.13mm,Af点約42°C)をファイバとして、数種の硬化度に調合したエポキシ樹脂との複合材を作成した。その際、ファイバと母材との剥離を防ぐには減圧下(10^<-2>Torr程度)での成形が有効であることが分かった。 2.TiNiファイバ単体、エポキシ単体及び上述の複合材について0〜60°Cでの数種の温度において準静的引張試験(歪み速度10^<-4>/sec)を実施し、弾性常数、流動応力の温度依存性を調べた。その結果、複合材の変形挙動はファイバと母材による複合則によってほぼ説明できることが明らかになった。なお、複合材に4〜5%の歪みを繰り返し与えると、ファイバー母材界面に剥離が生じることが光学観察の結果明らかになった。 3.振動モードとして重要な曲げ変形試験を数種の温度において実施し、変形状況をビデオカメラ撮影により連続的に観察した。また、変形途中ファイバに直接通電加熱を行なって温度変化にともないう変形挙動を観察した。その結果、母材の熱伝導率が低いため、急速な加熱では母材ーファイバ界面に剥離が生じることが分かった。このため、母材にマイカを混入することを検討中である。
|