Project/Area Number |
63550083
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
材料力学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 英治 京都大学, 工学部, 助手 (30093313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元木 信弥 大阪市立工業研究所, 機械課, 研究員
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1988: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 音弾性 / 磁性体 / 磁気弾性 / 応力測定 / 超音波 / 強磁性体 / 磁場 / 磁ねい |
Research Abstract |
本研究の目的は、鉄鋼材料などの磁気的な性質を利用して、従来の超音波応力測定で得られなかった情報を得るための理論的手法を提案するものである。本年度に得られた研究成果は以下の通りである。 1.磁場下での磁性材料の構成式と磁歪の考察に関して 磁気弾性効果と高次の弾性定数を考慮にいれて、比較的弱い磁場で材料の磁化にヒステシスがないような場合の基礎式を導いた。これは、以下の音弾性理論の基礎となるものである。 2.材料に磁化と変形がある場合の超音波伝播の解析に関して 加工による異方性がないような等方材料に対して、(1)磁場と超音波の伝播方向が平行および垂直、(2)単軸応力および平面応力、の各々の組み合せの場合を考察した。これらの場合に超音波の伝播速度やその偏向方向を求め、磁化と変形の影響を解析した。 3.磁場を利用した音弾性公式と応力測定への応用に関して 単軸応力や平面応力と磁場がある場合の磁気弾性問題を解いて、2、の結果を基に等方磁性材料の音弾性公式を導いた。この公式を用いると、例えば、従来横波と縦波の速度を測定する必要があった平面応力の2つの主応力の値を簡単に決定することができる。則ち、平板の垂直方向に伝播する音響複屈折を、その方向に磁場の大きさを変えて加えて、測定するだけでよい。さらに、主応力方向が未知の場合には、板面方向に磁場をスキャンして音響複屈折を測定すると、主応力方向が最大あるいは最小となることを利用すればよいことを示した。 今後の課題は、異方性材料に対する磁気音弾性公式を導き、従来困難とされてきた加工による組織異方性と応力による異方性を分離する方法を考案することである。また、磁気的なヒステリシスを考慮にいれた構成式を導入して、より精密な応力測定を可能とすることも重用である。
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