境界層近傍に限定した乱流化にもとづく熱伝達制御の基礎的研究
Project/Area Number |
63550153
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
成合 英樹 筑波大学, 構造工学系, 教授 (70134210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 博 筑波大学, 構造工学系, 講師 (30176177)
矢部 彰 筑波大学, 構造工学系及び通産省工技院機械技術研究所・助教授, 主任研究官
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 伝熱促進 / 電気流体力学的効果 / 境界層近傍の乱流化 / 層流 / 乱れ |
Research Abstract |
熱伝達を生じている伝熱面近傍のみを乱流化し、熱伝達を促進することは、自然循環のような低流速時においても除熱量を増加させ、また、それに伴う循環量の増大が期待できる。これらの境界層近傍のみの乱流化の方法として、電場を活用することにより電気流体力学(EHD)的に実現できる可能性がある。本研究は、電場により発生するEHD的な液体ジェット現象の境界層に焦点を絞り、流れの構造と浮力との関係などを実験的に検討すると共に、そのメカニズム、及び実際への適用可能性について検討した。実験として、フロンR113を用いる強制流動ループを製作した。試験部は巾150mm、高さ20mm、長さ600mmの矩形水平流路であり、この流路上面にステンレス箔をはって交流電源より直接加熱し、伝熱面の温度計測から熱伝達率を求めた。また、高電圧の電極として直径0.3mmのステンレスワイヤ7本を、伝熱面から約6mm離し、流れに平行に20mm間隔で設置した。実験条件は印加電圧0〜4.5kV、レイノルズ数1000〜4000、であり、またR113にエタノールを4%混入し電気伝導度の影響について調べた。実験結果として、レイノルズ数が低いほど小さい印加電圧で伝熱促進がみられること、また伝熱促進割合もレイノルズ数が小さい程大きいこと、エタノールを4%混入して電気伝導度を上げた場合、レイノルズ数1000の時、4kVの印加電圧では電圧をかけない場合にくらべ約25倍の熱伝達率(約650W/m^2・K)となること、などの結果が得られ伝熱促進効果を確認した。この伝熱促進のメカニズムとして、金属細線と伝熱面間の強い電界により生ずる電荷の運動が乱れを生じさせること、などが考えられ、今後、乱れ強さの測定などにより流れ場を解明する予定である。さらに、ワイヤ位置などの寸法形状、電気伝導度などの効果を調べ、最適条件を明らかにし、実際への適用を検討する計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
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