Project/Area Number |
63550287
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電子機器工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒川 泰彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (30134638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 陽一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00013110)
榊 裕之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90013226)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 量子井戸レーザ / 微分利得 / サブピコ秒光パルス発生技術 / ピコ秒ダイナミックス |
Research Abstract |
社会の高度化に伴い、将来の重要光技術として超高速光通信(100GHz以上)や超高速光情報処理(数ピコ秒)に対する期待が高まりつつある。その際半導体レーザにおける超短光パルス発生技術が重要な役割を果たすことは疑いがない。しかし、これまで半導体レーザ単体からの光パルスとしては10ピコ秒程度のパルス幅にとどまっていた。ところが最近本研究者らは、量子井戸レーザ(100〓程度の厚さの半導体超薄膜を有するレーザ)から1.3ピコ秒という最短の光パルスを発生させることに成功した。これは、2次元電子ガスが微分利得という物理量を増大させているためと考えられるが、まだ完全に解明されたとはいえない。 本研究では、われわれの最近の成果をふまえ、量子井戸レーザにおいて1ピコ秒以下の光パルスの発生を目的とする。まず量子井戸構造における光パルスと2次元電子ガスとのサブピコ秒領域の相互作用を理論的・実験的に明らかにした。特に、半導体量子井戸構造の構造パラメータとパルス幅の関係についてストリークカメラを用いて詳細に明らかにすると共に、このような振舞いを理論的に解析した。その結果、量子井戸の数の減少に伴い利得の平坦化効果が生じ、パルス幅が広がることが示された。さらにストリークカメラの前に分光器を置くことにより時間分解スペクトルを測定することに成功した。これらの観測結果は、既にのべた利得の平坦化によるスペクトルの広がりを明確に示しており、量子井戸レーザにおけるピコ秒ダイナミックスを、理解するうえできわめて貴重なデータを提供した。われわれの成果は、量子井戸レーザにおけるサブピコ秒パルス発生技術の可能性を示唆しており、本研究の当初の目的を十分達することができたと考えられる。
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