Project/Area Number |
63550321
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
計測・制御工学
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
内田 健康 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80063808)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1988: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | ロバスト・フィルタ / カルマンフィルタ / H^∞-最適化理論 / 微分ゲーム / リカッチ方程式 |
Research Abstract |
推定すべき信号の状態空間モデルが既知であることを前提にすれば、ウィーナフィルタの構成問題はスルマンフィルタの構成問題となる。本研究では、信号の状態空間モデルを前提とし、モデルの構造、次数、パラメータの値は既知であるが、情報源でありモデルの駆動入力となる信号と観測雑音の統計的性質は未知という形で推定問題を定式化し、ロバスト・ウィーナフィルタの構成問題を検討した。 H^∞-最適制御理論は制御系への外乱として最悪のものを想定した制御系構成理論である。そこでまず、推定問題における信号および雑音の統計的性質がまったくわからないという前提に立ち、H^∞-最適制御理論におけるH^∞ー最適化手法の推定問題への適用可能性を調べた。最近の研究によれば、H^∞-最適制御理論が微分ゲーム理論と密接な関係にあり、微分ゲームにおいて現れるRiccati方程式の解を用いた制御則によりH^∞-最適制御が構成できることがわかって来た。本研究における推定問題では、Kalman-Bucy型のフィルタを考え推定誤差方程式を導き、推定誤差に関するH^∞-最適化をおこなった。具体的には、推定誤差分散方程式を微分ゲームにおけるRiccati方程式の双対形に一般化し、この方程式の解を用いてフィルタゲインを構成した。その結果、確定的な対外乱および対入力特性を考慮し、ロバスト性の度合を指定できるロバストフィルタを構成できることが明らかとなった。また、このようにして構成されたロバスト・フィルタの推定器としての性能や安定性、さらにミニ・マクス性などを確認することができた。 本研究で得られたロバスト・フィルタは、長い歴史をもつロバスト・フィルタの研究においてこれまでに議論されたことのない、まったく新しいタイプのロバスト・フィルタである。
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