Project/Area Number |
63550368
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎・土質工学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 正 北海道大学, 工学部, 助教授 (80111665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 和義 北海道大学, 工学部, 助手 (70001328)
藤田 睦博 北海道大学, 工学部, 教授 (80001139)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 降雨流出 / 山地流域 / トレーサー / フミン質 / 水質水文学 |
Research Abstract |
本研究は、降雨流出現象の基本的な場である山林地斜面の流出機構を設定した流出小試験地における詳細な現地観測によって検討し、その基本的機構を明らかにしている。 流出追跡の直接的な手法として紫外部260nm吸光度(E260)をトレーサーとする手法を提案し、これを用いた観測結果を検討して山地斜面流域における2流出成分モデルを提示している。本論文の研究は以下のように要約できる。 まず、地中の深度ごとに採水したE260値の鉛直分布は深度とともに指数関数的に減少し、その分布形は降雨中も安定しており、夏期、融雪期の変動も小さいことを見いだしている。従来、トレーサーとして用いられている電気伝導度あるいは硝酸窒素イオンと比較して、E260値の利点を検証している。つぎに、河川水、地中水のE260値を継続的に測定した結果、小降雨時の河道流出量のほとんどは地表面から30cm以深(B層)からの流出によって占められ、降雨強度の増加とともに地表面から30cm以浅、A、AB層の近傍からの流出が混入することを明らかにしている。 現地観測の結果に基づき、山腹斜面における流出モデルとして斜面の微地形と土層構造を考慮した2流出成分モデルを提案している。本モデルによる流出量の再現計算の結果は、実測流出および浅層、深層からの河道流出量の配分量も実現象を合理的に説明できることを示している。
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