活性炭処理における細菌の挙動解析と制御に関する工学的研究
Project/Area Number |
63550401
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
都市工学・衛生工学
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
盧立 徳厚 函館工業高等専門学校, 助教授 (70001237)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 活性炭 / 水道水源の汚染 / 廃水の高度処理 / 有機栄養細菌 / ふん便性大腸菌 / ふん便性連鎖球菌 |
Research Abstract |
水処理・高度処理に多用されている活性炭の表面には、吸着された有機物を利用する細菌が増殖するが、増殖した細菌は活性炭の再生に寄与する利点と飲料水水質になんらかの悪影響を与えるのではないかとの不安を併せ持っている。本研究は上記の課題を解明するために、活性炭モデル濾過装置を製作し、水道水や下水二次処理水を原水として通水実験を行い、以下の知見を得た。 1.水道水を原水とした実験では、濾層深方向に数点のマノメータをとりつけ損失水頭を測定したが、濾過水中の有機栄養細菌の増大と損失水頭の増加が符号し、きわめて清浄な水道水であっても活性炭濾層内で細菌が増殖することを確認した。また、濾層深方向の損失水頭の増大が直線的なことから、有機栄養細菌の増殖は活性炭表面に部厚い生物膜を形成する形態をとらないことが抗察された。 2.未消毒の活性汚泥処理下水を原水とした実験では、活性炭濾過層の通水前後で、当初は各種細菌数に全く変化がないことから、活性炭そのものは細菌(グラム陰性・陽性、桿菌・球菌にかかわりなく)を吸着する能力を持っていないことが明らかになった。しかし通水を続けていると一週間前後で原水に大量に存在するふん便性大腸菌(FC)、ふん便性連鎖球菌(FS)が濾過水中に認められなくなった。このことは活性炭表面や活性炭の間に原水中の有機物や活性炭に吸着された有機物を利用する有機栄養細菌が増殖し、外来性の細菌を吸着したものと考えられる。 3.1.に述べた実験を1ケ月続けた活性炭濾過層に10^5レべルのFC、FSを添加したところ濾過水から両細菌は全く検出されなかった。ついで、10^7レべルの両細菌を添加したところFC、FSがわずか流出した。このことは、有機栄養細菌の増殖した活性炭濾過層が対病原菌障壁として機能する可能性を示したものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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