Project/Area Number |
63550451
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
建築史・建築意匠
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 博之 東京大学, 工学部, 助教授 (00011221)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 住宅地 / ニューラナーク / プルマン / 土地区画整理 / 町づくり / 地名イメージ / 集合住宅名称 |
Research Abstract |
英国における近代住宅地の成立にとっては、初期の工業化社会での工場コミュニティの果たした役割りが大きい。なかでも18世紀末から19世紀を通じて紡績工場として世界有数の規模を誇ったスコットランドのニューラナークは初期の労働者コミュニティとして有名である。このニューラナークを訪れることができたので資料を収集し、分析することができた。また、本研究の直接的対象ではないが、アメリカのシカゴ近郊にあるプルマンの町は、アメリカにおけるこうした工場従業員のための町として有名である。このプルマンに関しても現地を訪れることができたので、その資料を収集することができた。 英国の20世紀初頭に行われた田園都市の原形としての工業化されたコミュニティの町づくりの重要性を、改めて指摘することができた。これに対して日本における住宅地の成立にとって重要なのは、近郊農地の宅地化のための手法である耕地整理組合や土地区画整理組合による組合施行の区画整理事業である。東京西郊におけるこれら区画整理事業の事例を収集し、分析することによって、少なくとも東京の場合には、住宅地形成の主力がこうした手法によるものであったことを実証することができた。 また、現実の住宅地が日欧で異なる点には、土地の性格が建築あるいは住宅地とどの程度結びついているかという側面がある。欧米の住宅地が土地と建物が一体になった住宅地を形成するのに対して、わが国の住宅地は、ひとたび形成されてしまうと、土地の形状は保持されるものの住宅じたいは極めて容易に変化をくりかえす。この状況を把握するための手法として、集合住宅の名称に土地のイメージがどのように反映しているかを調査し、分析の基礎的資料を集めた。今後、このデータについてはさらに解析をすすめる予定である。
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