Project/Area Number |
63550456
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
建築史・建築意匠
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
阿久井 喜孝 , 工学部・建築学科, 教授 (90057183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滋賀 秀実 , 工学部・建築学科, 講師 (20057235)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 高密度居住空間 / 近代集合住宅史 / 露路空間 / 租界建築 / 近代の町屋 / 高密度コミュニティ / 都市住宅地計画 / 建築技術史 |
Research Abstract |
里弄住宅とは共用空間としての露路を骨格とし中国の租界で発達した低層高密度の集合住宅群を指す。 1:研究の実施概要とその成果。(1)現地調査;'88年8月上海旧租界内の里弄団地ワケ処について写真撮影、実測及び聞き込み調査(参加者10名+中国側案内者数名)を実施、帰国後基本図面、部分詳細図等記録と比較研究のための建築図面を二百点余作成し写真数千枚及び参考資料多数を収集した。関連予備調査として'86年に天津'87年に上海、武漢里弄と浙江省湖北省四川省の伝統民居の調査を行ったが'88年度は比較資料収集のため厦門、広州の近代住宅群の視察及び上海の高層集合住宅(河浜大〓1930)の実測調査と図面作成を併せて行った。(2)文献研究;里弄に関する現在唯一の研究書とみなされる〈里弄住宅〉王紹周(上海同済大学教授)著1987年上海科学技術文献出版社刊(約二百頁)を幸い著者から直接入手できたのでその全訳を行った。'87年に翻訳を済ませていた徐景献〈上海里弄住宅I〜IV〉及び王紹周〈上海近代里弄住宅建築の発生と発展〉の二論文と併せ、他分野の文献資料より関係記事を抜粋し且つ伝統民居の資料を照合し比較検討の作業を行った。更に年表(1840〜1949)を作成し同時代の欧米や日本の集合住宅との類型比較、相互影響関係や発展プロセスの跡付けを行った。 2:本研究により明らかにできた主なる事項。(1)中国租界の成立過程の概要と都市形成の主要素としての里弄住宅の過去及び現在の実態。(2)里弄住宅の発展過程にみられる各種類型(様式構成)の分類とその特徴及び配置システムの変遵。(3)里弄住宅の様式、形態や空間構成にみられる中国の伝統民居集落よりの影響。(4)里弄の使われ方や構成システムと租界における欧米型近代集合住宅の空間構成との相互影響関係。(5)高密度市街地住宅における共有空間としてのオープンスペースの性格と形態に関する欧米や日本の事例との比較対比。(6)構法やディテール等の記録。
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