Project/Area Number |
63550590
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
富田 彰 東北大学, 非水溶液化学研究所, 教授 (80006311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京谷 隆 東北大学, 非水溶液化学研究所, 助手 (90153238)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 高温脱硫剤 / 担持酸化銅 / 硫化水素 |
Research Abstract |
我々は高性能高温脱硫剤として熱力学的に高い脱硫率が期待できる酸化銅に注目した。そこで種々の担体上に担持した脱硫剤を調整し、その性能を検討した。調整した試料は次の五種類である。酸化銅そのもの、酸化銅とシリカの物理的混合物、含浸法によりシリカあるいはゼオライト上に酸化銅を担持したもの、アルコキシド法によりシリカのマトリックス中に酸化銅を取り込んだものである。実験は熱天秤を用いて脱硫、再生反応を繰り返し、反応速度を調べた。それより以下のことが明らかになった。 1.酸化銅単味の場合、脱硫、再生反応の速度は担持酸化銅に比べて著しく低い。また、脱硫、再生を繰り返すことによりその反応性はさらに低下する。これは脱硫反応で酸化銅粒子の周囲に硫化銅の緻密な層が生成すること、また再生時に酸化銅が焼結することが原因である。 2.担持酸化銅の場合、脱硫、再生の反応は速く、また繰り返しによる反応性の低下もなかった。これは担体の存在により酸化銅単味の場合のような緻密な硫化銅の生成や酸化銅の焼結が妨げられたためである。また使用した三種類の担持酸化銅で反応性の違いは見られなかった。 3.物理的混合物は担持酸化銅とほぼ同じ反応性を示し、繰り返しによる性能の劣化もなかった。 4.各試料とも水蒸気の存在によって反応性はほとんど変化せず、鉄系脱硫剤に見られるような脱硫能の低下はなかった。 以上より、酸化銅は高温脱硫剤として有望であり、予想どおり担持酸化銅は高い性能を示した。しかし、その高反応性を維持するためには必ずしも担体中に酸化銅を高度に分散させる必要はなく、単にシリカなどの粒子と混合するだけでも十分であることが分かった。このことは反応機構を考える上でも、また実用化の際にコストの面からも注目される。
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