Project/Area Number |
63550592
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 泰道 熊本大学, 工学部, 助教授 (80114172)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 水の光分解 / 半導体電極 / 鉄複合酸化物 |
Research Abstract |
酸化チタンのバンドギャップ3eVより小さい2eVのバンドギャップの鉄複合酸化物、P-CaFe_2O_4、P-Sr_7Fe_<10>O_<22>、n-ZnFe_2O_4を合成し、これによる水の光分解について研究した。特にP-CaFe_2O_4は表面準位によるフェルミレベルピンニングが生じており、本研究では、これについて一応の改善が得られた。得られた知見をまとめると以下のようである。 1)P-CaFe_2O_4の固有抵抗を下げるため、Caを他の一価金属で微量置換した。例えばNaをわずか置換すると抵抗は1〜2オーダー小さくなった。また多量の置換はむしろ再結合準位を増加させ、光電流を小さくさせる。また、最も問題であったフェルミレベルピンニングによる非オーミック接触がPt-Pd合金スパッタおよびこれの熱処理によって解決できた。酸化物サンプルの表面にPt-Pdをスパッタした後、600〜650℃で熱処理する時、最もオーミックコンタクトが取れた。 2)P-CaFe_2O_4電極のオーミックコンタクトの成功のため、これによる水に光カソード分解電流が著るしく増加した。酸中での光電流は数10mA/cm^2にまで増加したが、同時に電極の光溶解も著しい。中性およびアルカリ中では光溶解は抑制されたが、光電流は小さくなってしまった。ところがその表面にPt-Pd合金を電着させると、貴金属の電極触媒作用のため、水素発生光電流は増加した。 3)上記のように改善されたP-CaFe_2O_4電極とn-ZnFe_2O_4を組み合せたP/n接合型光電池により水の光分解を試みた。実際水素対酸素ガスの量は2対1であって水の完全光分解が生じていた。P-CaFe_2O_4電極の改善はうまくいっているが、未だn-ZnFe_2O_4電極の改善はできておらず、これがさらに改善されれば、太陽光による水の光分解効率は著しく増加すると考えられる。
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