Project/Area Number |
63550598
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高田 雅介 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20107551)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | チタン酸バリウム / スパッタリング / 薄膜 / 強誘電性 / 配向 |
Research Abstract |
チタン酸バリウム (BaTiO_3) 焼結体は、高い誘電率と強誘電性を有するため幅広く用いられてきた。一方、電子回路の小型化、高周波化の要求からBaTiO_3の薄膜化も古くから試みられてきた。しかし、薄膜の素子等への応用を広げるためには、なるべく低い温度で作成する必要があるが、低温で作成した薄膜は焼結体と同じような特性が得られず、1000以上の比誘電率を得るためには、1000℃以上の熱処理が必要とされている。これまでの報告のほとんどが、白金板上にBaTiO_3薄膜を作成しており、これがBaTiO_3薄膜の実用化を防げる大きな原因の一つとなっている。 本研究では、タードットにBaTiO_3粉末を用い、400℃という比較的低温でITOコーティングガラス基板上にBaTiO_3薄膜を作成した。また、スパッタリングガス圧を50Paと、通常行われているガス圧よりも高くすることで、デポジッション・レートを減少させ、レートの高いところでは観られなかった積層時間に対する薄膜の変化を測定した。 スパタッリング時間が短い時、Ti-richの薄膜が積層し、ヒパッタリング時間が増すにつれ化学量論的組成(Ba/Ti=1)の薄膜が積層した。また、スパッタリングガス圧の低いほど、短時間で化学量論的組成に飽和する傾向があった。薄膜の積層時間に対する組成変化の原因はターゲット粉末に吸着している水分によるものと考えられる。 この薄膜の組成変化にともなって、薄膜の配向性は、薄膜の組成がTi-richのとき、(110)配向し、化学量論的組成に近いほどa軸配向した。そして、薄膜の誘電率もBa/Tiが増加して1に近づくにつれて増加し、最大で比誘電率100になった。 薄膜の誘電率温度特性は、焼結体のようなキュリー点での急激な変化はなく。非常にブロードなものになった。
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